ふと隣を見るとユウジがいた。昼休みなのに珍しく小春ちゃんが居なくて、理由を尋ねようと思ったけどあまりにも真面目な表情で見詰めてくるので上手く口が開かなかった。沈黙のまま何となく視線を逸らすことも出来ずにいると、教室の入り口に白石の姿が見えた。嗚呼、神様がやっと私に救いの手を差し伸べてくれたようだ。ありがたやありがたや。


がたりと音がする。それは勿論私が勢い良く席を立ったせいだ。なんで席を立ったかって?これも勿論、白石に助けを求める為だ。ついでにユウジが可笑しいと伝えるため。なのにあれれ。急にぐらりと体が傾いて。強めに握られた腕が少し痛くて。そして私が誰かの膝の上に乗っていて視界が全部真っ黒なのは果たしてなんでなのだろうか。






ホンマに気付いてへんのか?
(なっなななななにが…!?)

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