「精市!好き、大好き!」
「うん、俺もだよなまえ。好きだよ、愛してる」
「えっ本当?わぁい!精市結婚しよう」
「うん、そうだねなまえ。だけど取り合えず離れようか」
自分のベストに顔をうずめてスリスリと頬を寄せてくるなまえ。
なんて愛らしいのだろう。ああ言ったものの誰がこんなに可愛い
彼女を無理矢理引き剥がすことが出来ようか。出来る人がいたら
是非お目に掛かってみたいと思う。
それと前に蓮二から聞いたのだが、なまえはどうやら抱きつくのが
好きらしい。最近は俺にベタベタだけれども今こうして恋人同士に
なる前は、蓮二や仁王。終には真田にも抱きついていたから冷や汗が
止まらなかった。だけど今は俺から離れない。同じことを前にも
言ったような気がするけどまぁいいや。それだけ喜ばしい事なのだから。
よしよしと頭を撫でてやれば、嬉しそうに目を閉じて頬をほんのり
ピンクに染める。あぁこれが胸キュンというものなのだろう。
幸せに浸りつつも時計に目をやれば、部活開始まであと5分。
満足そうな表情ではにかんでいるなまえをそのまま抱きかかえて
一気に階段を駆け下りた。
…こんなに可愛いなまえを置いて行くなんて出来ないだろう?
天使誘拐事件
(なまえ先輩、また来てくれたんっスね!)(うん。精市が連れてきてくれたの)
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