「骸、私も…私にも闘わせて!!」


 艶やかな蒼い髪をなびかせて、困ったように薄く笑う。
 立ち上がった私をそっとソファに座らせ、口を開く。



 「貴女を危険な場所に出す訳にはいきません」

 「でも、骸が…!」



 サラサラと藍色の粒子が骸の身体を包む。



 「分かって下さい、ワルツ」

 哀しそうに、でも語勢だけははっきりと響く。



 頬をつぅと涙が伝うが、それを骸が指で拭ってくれる。
 骸が頑張っているのに私は何も出来ない。



 「嗚呼、もう時間のようです」

 それでは。と呟いて私に唇を落とした骸はすっと消えてしまった。


 キラキラとしたカケラだけが確かに今、そこに骸が居たことを主張する。
 手を伸ばしても掴めないが必死に手を宙に泳がせる。




 「クロームだって、闘ってるのに…」







 君だけはえない
 (光も自由もない僕には)(君だけしかいないんだ)

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