渇いてしまったわらい声
みんなは笑う
みんなは泣く
みんなは怒る
みんな、いろいろな表情をする


でも、

僕は笑わない
僕は泣かない
僕は怒らない
僕はみんなみたいにいろんな表情をしない


嫌、しないんじゃない…

 できないんだよ


できない理由なんて

 僕にはわからないけど――



『笑い方…』

図書室に湊はいた。
彼は一冊の本を手に、本があったその場で立ちながら本を読んでいる。
その本の表紙には大きく「笑う方法」とかかれていた。

『……。』

たまに図書室にきては表情や感情についての本を読んでいる湊。

『…理解できない』

しかしさっぱりわからないよう…

『(昔は笑えてた気がするんだけど…)』

本を読みながら少し思い出にふける。

『(楽しい事を思うと、笑えると書いてあるけど…)』


さて、一体何が楽しかったのか…

『(みたらし…?)』

確かにみたらし団子を食べているときは幸せだが、なにか違う。」

『ハァ…』

ため息を一つつき本を元に戻す。

外にでれば、"お気に入りの場所"という名の昼寝場所にいく。
あまり人も来ないし湊にとっては絶好の場所。
横になって目を閉じれば、心地よい気分に。

『(僕もいつか
みんなと一緒に、笑えるかな…)』


そう思って、湊は眠りについた。



渇いてしまったわらい声
((僕のわらい声は何処にいきましたか?))


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