はじめましてと×××
「…迷った」

とある住宅街。日も沈み、辺りはずいぶん暗くなった。
街灯が怪しく光る中、危機感もなくのんびりと歩いているのは白髪の少年。
用事が終わり自分の家に帰ってる途中のはずだったのだが…。道を間違えたのか、辺りには見知らぬ風景が広がっている。

「…眠い」

普段ならもうついて寝ている時間。
授業中でも構わず眠っている彼、彼にしては動いたということで睡魔がすぐそこまで迫っていた。
“もう寝たい”そう思い、彼は道の端にしゃがみ

「…zZ」

ついには寝てしまった。




「……。」
「……。」

少年が寝てからしばらくたち、たまたまそばを通った青年が少年の前に突っ立っていた。

「(人の子…?なぜこんなとこに…)」

起こそうと肩を恐る恐る揺らすが起きる気配がない。しょうがなく、さっきよりも力を入れ、起こすが―

「…ッチ」
「!?」

舌打ちをされた。しかも少年は無意識でしたのかまた爆睡している。
これは絶対起きないなと悟った青年は、少年を抱きかかえ自らの家に帰って行った。


――――――――
――――

「ん…」

目をこすりながら体を起こす。なんだかよく寝た気がする、そう思いながら布団をたたむ。
ふかふかでさわり心地も少年好み。だからよく寝れたのかと自己解決。

「(…布団?
 あれ…知らない、場所…だ…。)」
「あ、」
「…。」
「起きたのか、人の子…」

ここの家の人だろうか、手にはコップとポットを持っている。

「コーヒー飲むか?」
「…苦くないの?」
「砂糖とか入れれば…?」
「…いれ、る……」

コーヒーの入ったコップを受け取り、砂糖とミルクを入れる。
どれくらい入れればいいのかわからず適当に入れれば、青年に入れすぎだと注意された。

「甘い…」
「だろうね、」
「でも、おいしい…」
「…よかったね。」

コーヒーを飲みほっと一息ついた2人。
するとずっと外を見つめていた少年の視線が青年の方をじーっと見つめた。

「……。」
「なんだい?」
「君…だれ??」
「今さらだな…」
「そう…?なら、いいや…」
「(良いんだ)」

いまいち流れがつかめない。そしてまた沈黙が続く。
青年はどうしようかとなやんでいるが、少年の方はマイペースでちびちびとコーヒーを飲む。

「(…銀髪、赤目…角。人の子って、言ってた…)
 人じゃないの…?」
「!…え、あぁ…」
「ふーん…」
「気味悪い…?」
「全然」

いつもぼそぼそと話す少年だが、この言葉は以外にもはっきりと言い切った。

「僕の方が、気味悪いから…」
「なんで?」
「…なんでも、」

そう言ってコーヒーを最後まで飲み干す。
立ち上がって、机の上にコップを起き、青年の方を向けば

「僕、篠原湊…。いろいろ、ありがとう。」

そう言って玄関の方に向かっていった。
一瞬ぽかんとしていたが、すぐ焦る青年。ここはちょっと作りが違い、ただの人間は簡単には抜け出せない。
急いで少年を引き留める。

「人の子!…湊!」
「…?…、なに?」
「元の道まで送る…」
「…。」
「…何だ?」
「…ううん、ありがと…。えっと、」
「…、サカキだ。」
「サカキ…?」
「あぁ。」

「ありがとう、

 サカキ…」


‐はじめましてと甘いコーヒー‐
((また会いたいな、))
((なんて、口にしてもいいのかな…))


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ヒロさん宅、榊くんをお借りしました。
ツイッタのタグのイラストを見て滾って、衝動書きしてしまいました。
文章相変わらずおかしくてすいません…。
でもとても楽しかったです…!!
素敵なイラスト本当にありがとうございました!!


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