Merry Christmas.



12月24日、今日はクリスマスイヴ。
いつも通り帝光中バスケ部、一軍での練習中。

赤司征十郎は悩んでいた。


「なっ、クリスマスプレゼントだと?」

部活後。
一人顔を洗っていた緑間を見つけ聞いてみた。

「今、クリスマスプレゼントと言ったのか」
「ああ、二度も言わなくていいぞ緑間」
「…赤司、オレにそんなことを聞いても意味がないこはわかっているだろう」
「ああ、期待はしていないよ」
「なら聞くな!」
「あー赤ちんミドチンー何してんのー?」

紫原加入。

「紫原…歩きながら食うなといつも言っているのだよ」
「いいじゃんミドチンーあ、食うー?」
「いらないのだよ」
「紫原」
「何赤ちんー」
「なまえへのクリスマスプレゼント、何がいいと思う?」
「えーオレに聞くー?」
「どうせおかしと答えるに違いないのだよ」
「ミドチンよくわかったねー」
「おかし、か…」
「なまえちんおかし好きだよー喜ぶからいつもオレが分けるんだー」
「そうか……よかったな紫原」
「紫原…空気を読むのだよ」
「えー?何のことー?」
「あ!赤司っちー、と緑間っちと紫原っちも!何話してんスかー?」
「…めんどうなのが来たのだよ」

黄瀬加入。

「めんどうなのって何スか緑間っち!」
「赤ちんがなまえちんへのクリスマスプレゼント何がいいかってー」
「え、つかまだ用意してないんスか!クリスマス今日っスよ?」
「……」
「黄瀬、死亡フラグだな」
「何で!?」
「……」
「(赤司と目が合う)え、えーっと…なまえっちのクリスマスプレゼントっスか…”オレがプレゼント”的なのはふごっ!!(黒子のイグナイトパス食らう)」
「黄瀬くん死にたいんですか」

黒子加入。

「最近黒子っちのオレへの扱いひどいっス…」
「気のせいですよ、赤司くん今のは聞かなかったことに。黄瀬くんのボヤキなので」
「ああ、そうだろうな」
「テツーっと…何だ、みんな集まってんのか」

青峰加入。

「またうるさいのが来たのだよ…」
「あ?なんだよ何の話だ?」
「赤ちんがなまえちんのクリスマスプレゼント何がいいかってー」
「…何だか嫌な予感がします」
「んだよ赤司、そんなことで悩んでんのかよ。あれでいいじゃねーの”オレがプレゼント”的なふごっ!!(黒子のイグナイトパス再び)」
「嫌な予感当たりました」
「テツ…てめえっ…」
「赤司くん、今のは聞かなかったことに。青峰くんの世迷言ですから」
「ああ、そうだろうな」
「まったく…相変わらず低レベルなのだよ」
「ミドチンもねー」
「何故なのだよ!」
「でもなまえっちの好きなものって、本当赤司っち以外思い浮かばないっスよね」
「!」
「確かに、みょうじさんは赤司くんのことばかりですからね」
「頭赤ちんでいっぱいだよねー」
「!!」
「…おい、お前らそのくらいにしとけ」
「これ以上は赤司がもたないのだよ」
「ぶっ!赤司っち顔赤!赤司っちなだけに!」

………。

「…死亡フラグですね」
「だな」
「バカなのだよ」
「黄瀬だけ、明日は特別メニューだ」
「え!冗談っスよ赤司っち!」

相談後半戦。

「赤司、ラッキーアイテムはどうだ」
「それはお前の欲しい物だろう、緑間」
「!!」
「まったく持って正解っス!」
「本とかどうですか?みょうじさんよく本読んでますし」
「それテツの欲しいもんだろ」
「違いますってば」
「それに…みょうじの読んでいるのは本ではなく漫画なのだよ」
「いつも一人でケラケラ笑ってるよねー」
「へえ、よく見ているな緑間」
「……」
「(さっきのお返しっス!)まさか緑間っちなまえっちのこと…!」
「な!ふざけるな!あんな奴好きじゃないのだよ!」
「……あんな奴、か」
「緑間くん死亡フラグですね」
「い、いや…その、赤司、」
「緑間っちはほっといて!なまえっちは赤司っちの選ぶ物なら何でも喜ぶと思うっス!」
「うんうんー」
「赤司くんらしいものがいいと思います」
「……」
「それがわからねーから相談してんだろ、赤司は」
「あ!征にみんな!集まって何してるの?」
「!なまえっち!」
「次の練習試合のミーティングなのだよ」
「(苦しい言い訳ですね)」
「先輩抜きで?そんなことより今日クリスマスイヴじゃない!さつきちゃんと話してたんだけど、みんなでファミレスでご飯食べよーって」
「あ?何でクリスマスにバスケ部でメシ食わなきゃいけねーんだよ」
「いいじゃないですか、青峰くんどうせ予定ないでしょう」
「う、うるせーよテツ!」
「え、つかなまえっちは赤司っちと過ごさなくていいんスか?」
「え?うん」
「……」
「(いいんスか…)」
「赤ちん元気出してー」
「…やめるのだよ紫原」
「じゃ行こ!さつきちゃん待ってる」

赤司の相談会お開き。
なまえの言葉を合図に、キセキ達はゾロゾロと更衣室へと向かう中。なかなか歩き出さない赤司に、なまえは立ち止まる。

「征?」
「なまえ…何か欲しい物はあるか?」
「えっ、クリスマスプレゼントに?」
「すまない…まだ用意できていなくて」
「全然いいよ、征といられれば十分」

空いた距離、それを縮めるようにして赤司の前まで近づいたなまえは、一瞬小さく笑みを見せると赤司の頭を両手でぐいっと引き寄せると彼の唇に自分のそれを軽く重ねた。

「っ、なまえ…、」
「メリークリスマス、征」



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