トン、トン
ノック音が聞こえて数秒、実は好きだったりするマネージャーの苗字さんが部屋に入ってきた
『飛鷹さん、ユニフォーム、ここに置いておきますからね』
「あ、ああ。」
"ありがとう"、たったの5文字なのにとても言い出せなくて、口ごもる。
嗚呼、情けない。
『飛鷹さん、』
「っ、なんだ」
『飛鷹さんは、飛鷹さんらしく居てください。無理……しないで。そのままの方が…私は、好きですよ』
愕然。
名前さんからそんな言葉が出るなんて思ってもなくて、言葉も出なかった。
が、その代わり体が動いた。
『と、飛鷹さん!』
「好き、だ……名前。」
無意識の内に名前を抱き寄せていた
『飛鷹さ、』
「……ごめん、」
ふと我に返って、少し困った表情の名前を離してやる
『なんで…謝るの』
「っ………」
『あたしだって好きです、飛鷹さんが』
「………ああ」
不器用な愛
(こんな俺を受け止めてください、と)
0205 松端