彼と私の数日間 | ナノ
残されたのは不安でも寂しさでも無く


「ヒサギ、勝負してもらうよ!」

「毎日毎日、飽きないねぇ…」

そう言いつつも既にモンスターボールを持っているヒサギ。

「いけっ! レパルダス!」

「出ておいで、コウ!」

チェレンはレパルダス、ヒサギはコジョンドのコウ出した。


「ヒウンアイスとモーモーミルク、チェレンの奢りね?」

見事ヒサギが勝利すると、チェレンは悔しそうにしながらもバトルの前に決めた罰ゲームの為に財布を確認する。

「ヒウンアイス100円なんだから財布なんて確認しないの!」

「ヒサギのことだから一つじゃ済まないだろう?」

「なぜ分かったし」

罰ゲームの前に、二人はポケモンセンターでポケモンを預ける。

「あ、私帰んなきゃ」

「え?」

「お母さんが今日は御馳走にするんだって。私が帰ってきたから」

帰ってきても、結局こうやってどこかフラフラしてるんだけど。

「チェレンはどうするの?」

「僕はもう少しここにいるよ」

「わかった。じゃあヒウンアイスとモーモーミルクはまた今度奢ってね」

そう言ってヒサギはモンスターボールからケンホロウのアズキを出して家まで飛んで行った。


Nとゲーチスとの騒動から一週間と少しが経った。

チャンピオンであるアデクを未だ倒せずにいるヒサギはフラフラと町をまた旅している。

そうしながらまた、ポケモン達を鍛えていた。

「(Nからは連絡ないし、今頃どこで何してんのかなぁ)」

むしろ、一週間くらいで連絡あったらそれはそれで複雑だけれど。

ハンサムって言う人に頼まれて七賢人を探した時、最後の一人を見つけた時だったか。

ハンサムに「ここよりはるか遠方でNらしき人物がドラゴンポケモンといるのを見た」と聞いた。

「カントーとかにでも行ってるのかな…」

私も、他の地方に行ってみようかな。

なんて考えながら、着いた家のドアを開けた。

美味しそうなにおいを漂わせ、嬉しそうな声音で迎えてくれる母に「ただいま!」と笑いながら言う。


残されたのは不安でも寂しさでも無く

(ただ会えると信じる気持ちで)


2011.10.12

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