そして新しい日常になる
「もしかしたらヒサギは、もうボクのことなんて…って思ったけど」
そんなことない。私はNを忘れたことなんて一日も無い。
「私もね、チャンピオンを倒す為の旅をしていたの」
Nと最後の戦いをするまで通った道や、町を旅していたけれど、いつもNと会って話した場所で立ち止まる。
彼がいると言う情報に切なくなって、きっと彼は会いに来てくれると信じたくて。
「プラズマ団を倒す為に急いでした旅と比べて、じっくり町を見渡せば、見えなかった部分が見えてきたよ」
Nもこんな部分も見たら、変わってたのかな、なんて思いながら。
「N、絶対また会えるって信じてた」
好きだよ
そう言ったら、Nは少し照れくさそうに、でも嬉しそうに笑った。
◆◇◆◇◆◇◆
「ヒサギ、また強くなったんじゃない?」
「そりゃあそうよ。アデクさんを倒す為に日々ポケモンを鍛えてますから」
お互いに傷ついたポケモンを預けて、一度外へ出る。
「じゃあ今度こそ、ヒウンアイスとモーモーミルク奢ってよね!」
「はいはい」
「ついでにベルとか、トウコやトウヤも呼ぼうか」
ライブキャスターで呼び出そうとする。
「それは僕に対してのいじめってことでいいのかい?」
「だって、みんなでわいわい騒いだ方が、楽しいでしょ?」
その言葉に、チェレンは眉を下げて笑う。
「この前、シリンダーブリッジ前で会った時より元気だね」
「私はいつでも元気よ」
そう言ってボタンを押した。
自分と、トウコ、トウヤ、ベルの顔が映って、チェレンの奢りでアイスを食べに行こうと伝える。
「…本当に僕の奢りなんだ……」
「食べた後は、みんなでまたバトルでもしよう」
そして新しい日常になる
(彼に渡した綺麗な羽は彼を守ってくれるだろうか)
end
2011.11.24
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