偽り少女 | ナノ
少女は愛する人間を想う
「おかえり、ファントム」

「やぁアオイ。君も随分と大きくなったねぇ」

「おじさん臭がプンプンする」

「ペタ、今すぐお風呂沸かして」

ペタはファントムに返事をして、すぐに部屋を出る。

「ファントムが目覚めたってことは、バッボも目覚めたんでしょう? 誰が持ってるの?」

「ペタの話とハロウィンの話によると、異世界の少年らしいよ」

ニコニコとした笑みを浮かべているファントムに対し、アオイは無表情。

温度差に違和感を感じていないのか、そのまま話し続ける。

「名前はギンタ」

「ふうん」

アオイは素っ気ない返事をした。

「興味、出てきたんじゃない?」

「そう言えば、ファントムは知ってるんだっけ…」

「アオイは、異世界と言う言葉が好きだからね」

「好きってわけじゃないよ。興味があるだけ」

「ペタには言わないのかい? 好きなんだろう?」

「…突拍子も無く言って驚かせたいじゃない」

「フフ…素直じゃないね」

私、ファントムのそう言うところ嫌いよ。

アオイはそう言うとファントムに背を向けて部屋を出ていった。


「何を話していたんです?」

戻ってきたペタがファントムに問う。

「秘密の話だよ」

楽しげなファントムに、ペタは眉間に皺を寄せた。

「嫉妬?」

「いいえ」

「即答するところがまた怪しい」

「お風呂沸きましたのでさっさと入ってください」

「君も素直じゃないね」

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