特等席 | ナノ
教室の中の一つ

私の席は窓際、一番後ろ。

所謂教室の隅っこ。

クラスメイトは「寝れるね。いいな」と言う。

私としては授業中に寝ることは無いし、隣は生徒会役員のグリーンくんが居るから寝るわけにもいかない。

それに教室の後ろは、少しだけ寂しかった。

比較的仲の良い子とは離れてしまった。

友達と言う程の子でも無かったけれど。


ある日、私はふと前の席を見る。

教室の窓側から2つ目の列、後ろから3つ目の所にある席。

そこに座るのは、グリーンくんがよく話かけているレッドくん。

彼は他に友達がいないのか、いつも席に座って本を読んでいるかぼーっとしているだけだった。

休み時間になる度に彼の後ろの席の子はどこかへ行ってしまうから、同じく席でじっとしている私はいつもレッドくんを見てしまう。

見ていたら、グリーンくんがレッドくんに話かけていた。

グリーンくんはニコニコ笑っているのに、レッドくんが笑っている素振りは見えない。

仲が良いのか、悪いのか。

見ているだけでは分からなかったけれど、なぜグリーンくんはレッドくんに話かけるのだろう?

そうこうしてるうちに次の授業の予鈴が鳴った。

騒がしく教室に戻ってくるクラスメイト達。

私の隣の席に座るグリーンくん。

席に座ったままだった私とレッドくんは、次の教科の教科書とノートを取り出した。


室の中の一つ

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