あなたが好きなのです | ナノ

満足に告白すらさせてくれないどころか、私と言う存在をペタに強く印象付けることも出来ないなんてこれは新手の虐めだろうか。私が繰り返していると言うことは、ペタや他の人も恐らく繰り返しているのだろう。なら、私がペタの前で私と言う存在を知らしめる為には一か八かで目の前で殺されるのが良いのではないだろうか。どうせ告白したら死んでしまうのだから。まぁこの繰り返しが、私を殺した人間による現象だとするならまた繰り返されるとは限らないけれど。

あれ……じゃあ何で繰り返されるの……?

「おかしい……」


繰り返される理由なんて分からないけれど、繰り返されているのは事実だ。記憶が無い時に感じた違和感はそれのせいだろう。何度も何度も同じ日を繰り返したからデジャビュのようなものを感じてしまったのだと思う。

今までの記憶から、恐らく繰り返す日にちは一週間からランダムで選ばれるのだと思う。大体この一週間で私が違和感を覚えてペタへの感情に気付き、何らかの方法でそれが私を殺す人間に伝わると殺されるから、少なくともこの一週間より後の日にちを経験したことは無いはずだ。

私がペタに告白しようなんて思わなければ、或いはペタへの感情に気付かなければ繰り返されること無く日々を過ごすのだろう。しかしとっくに気付いてしまっていて、何より繰り返される前の記憶を持っているとなると私でもそれを隠すことはできやしない。だから私は今回も悪夢のように殺されるのだろう。

「ねえペタ」

「何だ」

「好き」

「は?」

「好きだよ。大好き。ずっと好き」

言い終わる前に、背中から何かが貫かれる。一瞬の衝撃とじわじわやってくる痛みに襲われ、目の前にいたペタを私の血で汚してしまった。

「ごめんね」

それに対して謝れば、ペタは酷く驚いた様子で私を見ている。また繰り返されたら今よりもその目に私の姿を焼きつけてね。好きになってなんて言わないから。それくらいの我儘は許されるでしょう?


* * * * *


まさか告白した瞬間来るとは思わないよね。ちょっと驚いてしまった。それにしてもどうやらうまく繰り返されたようで、時計が示す日時は何度も繰り返したそれだった。

「は……はは……」

確信に近いものがある。私が憎くて殺す人間なんて、ペタのことが好きで仕方ない人間だろう。書類整理の手伝いと言うペタと近付けるチャンスを得た私がペタを好きとなれば、人によっては憎んでしまうのかもしれない。それ故に殺してしまおうと言う結論に到ることもあるだろう。私としては大迷惑なわけだけれど。だけど私がペタを好きで相手もペタのことが好きなら、これは女同士の戦いといったところか。ペタの目の前で殺されると言う考えは当たりかもしれない。



そろそろ我慢はやめようか


2013.07.06

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