MAR短編 | ナノ
真っ白な雲と真っ青な空

珍しく暇だったから、外に出て空を見上げた。

すると真っ青な空に真っ白な雲が漂っていたんだ。


「妙に綺麗な空だなぁ……」

「丁度良い風も吹いているからな」

上を見ていたから急に声がして驚いた。

「あ、アルヴィス…」

そこには恋人の姿があった。

彼は大きな木に背を任せていた。

「珍しいな。ナマエが休日に外に出ているなんて」

「ムッ…失礼な。これでも体力は有り余ってるのよ?」

「その割にいつもは部屋で寝ているじゃないか。ナマエの頬をつついても起きない程に」

「何それ!? 全然気付かなかった! ひどい!」

からかう様に言ってくるから頬を膨らました。

それにおかしそうに笑って「ごめん」と言って来たから私もつい笑ってしまった。

「アルヴィスは何をしてたの?」

「休んでいた」

「修行してて、今は休憩ってこと?」

「いや、散歩をしていて日陰があったから寝ていた」

驚いた。

彼の微笑みや散歩をしていたことじゃなくて、寝ていたと言うことに。

「あ、アルヴィスがここで?」

「あぁ」

「お昼寝?」

「まぁ、そうだな」

「……」

驚いてたら悪いか、と言わんばかりにアルヴィスの目が鋭くなっていく。

さっきの微笑みはどこにいったんですか。

「で、でも確かにこんな天気で風も吹いてて木陰に寄り掛かってたら眠くなるよねっ!」

苦笑いでそう言ったらアルヴィスはまた目を閉じた。

「(まだ眠いのかな……)」

きっと彼はウォーゲーム中でずっと気を許してはいなかったんだろう。

だからこんな日につい気を許してしまって寝てしまったんだ。

「…私も寝て良い?」

聞こえてないはずの彼にそう問うと小さく「良いよ」と言って笑った。

それを聞いて顔が緩みながら彼の傍に歩み寄って隣に座って大きな木に背を任せた。

「(あ、何か風が気持ち良い……)」

だんだん重くなってきた瞼を閉じると心地良い風を感じて、そのまま眠りについてしまった。

「……全く…」

風で前髪を揺られながら自分の肩に頭を載せている彼女を愛おしそうに見つめた。

呆れながらも好きなんだと思うと自分に呆れる。

「(ナマエは警戒心を持った方がいいな…)」

そう思いながらアルヴィスは小さく「おやすみ」と呟いて、自分もまた目を閉じて今度はちゃんと眠りについた。


end

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