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ランス夢

※デフォ名注意


「おい、あれ見ろよ…」

「あぁ…フユキだ…」

「アイツの前でだけは、言っちゃいけない…」

ランス様の悪口は……。

『(悪口があるって時点でアウトだっつーの)』

したっぱの衣装に身を包み、腰にはモンスターボールが入ったウエストポーチをつけている。その中から相棒を出そうかと思ったが、今ここにランス様はいない。アイツらをボコる必要はないわけだ。

『(まぁでも…いても聞かなかったフリすればいいか)』

どうやら私はいつの間にか、ランス様の親衛隊、隊長とやらになってしまったらしい。私はそんなこと口にしたことも、望んだことも無いのだけれど。

むしろ私は、ランス様のことが大嫌いだ。

なぜ彼を慕うかのように呼ぶのかと言えば、上下関係からくるものだが、変な呼び方をして怒らせるのも面倒だからだった。一応ランス様は、ロケット団で最も冷酷と呼ばれている男なのだ。それに相応しい程には、冷酷だったりするのだ。

「フユキ、仕事はどうでしたか」

『逃げられました。ニューラは素早くて、隙を窺っていたら既にいませんでした』

「役立たずですね…」

はぁ…と盛大に溜め息をつかれた。そして鋭い視線を向けられる。

「炎タイプのポケモンは持っていなかったのですか?」

『残念ながら私の手持ちに炎タイプはいません』

「なら捕まえてくればいいでしょう。それでもあなた、ロケット団ですか」

あぁ、めんどくさい。なんだコイツ。姑か。そこまでニューラが必要なら自分で捕まえてこいよ。あの素早さに勝てるポケモンがお前の手持ちにいるのならな。

『(とか、思ってるけど絶対言えないわ…)』

「聞いていますか、フユキ」

『はい』

「ならさっさと対策を考えて、再びニューラを捕まえに行きなさい」

『はい』

っと終わりか、と部屋を出ようとしたら、ランス様から再び名前を呼ばれた。

「ところでフユキ」

『はい?』

私さっきから「はい」しか言ってないわ。

「最近耳に挟んだのですが、お前は私の親衛隊、隊長だそうですね」

『どうやらそのように言われているようですね』

ついに上司にまで伝わったか。

「いつから、私の親衛隊などになったのですか」

『さぁ?』

親衛隊自体はあるようだけど、入ったつもりは毛頭無い。親衛隊の人間と話したことも無い。しかし本人の耳に入ったなら、面倒なことになるだろう。

「親衛隊など馬鹿なこと、さっさと止めさせなさい」

『はい』

「それと、そんなに私のことが好きなら、そうと早く言いなさい」

『否定させていただきます』

あぁ本当に、この人変だわ。


冷酷と呼ばれた男

(ランス様って少し人使い荒いよな…)
(おいそこのお前、その言葉を本人に言ってこい)
(うわっ…フユキだっ!! すみません!!)
(チッ…また逃げられた…)

end


あとがき

短編として書いていたんですが、
今PCのネットが使えない上、
話の流れとランスさんのキャラが微妙になったのでこちらにうp。
あと、冷酷ってどんな感じ?


携帯獣
2012/02/23 19:34

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