ずこーちゅーちゅー
さっきから屋上ではこの音が響いとる。
口に含んだままのオレンジジュースの紙パックにさしてあるストローからはもうなにも吸い上がってこおへん。
その状態が20分は続いとる。



「…お前、何か話せや」

『無茶言うなや。自分こそ何か一発おもろいこと言うて私を笑わせみ』

「自分みたいなブスの笑い顔なんか見たないわ」

『私かて自分のネタなんかで笑わへんし、笑い掛けたくもないわ』

「『・・・・・』」



こんな言い合いも20回近く繰り返しとる。
つか、放課後に屋上に呼び出したんユウジやんけ。何か話せや。
こっちとら、楽しみにしとったドラマを我慢して来てやったんやぞ。



『…で、何の用やねん』

「…うーあー えっと、な?」



…何キャラやねん、ユウジ。
つか謙也とキャラ被ってんで。さっきまでの勢いは何処行ったんや、おい。
これぞ正しくうじうじユウジやで!



「…由夜」

『…何や?』

「す、すす好きや!」

『は?すき屋が何やねん』

「おま…っ 何でここですき屋の話が出んねん!普通に考えて告白やろーが!!」

『じゃあ、寧ろこの流れで告白って何やねん!もうちょっとロマンチックにしろや!!』

「緊張しててそれどころやなかったんや、アホ!」

『アホってそれが好きな子に対する態度か!!』

「そうや!文句あるか!!」

『・・・・・。』

「で、返事は何や」

『よ、よろしくお願いします…』

「お、おん」




何や分からんけど、ユウジがカッコよく見えてきた私は現金なんやろうか?



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -