今日は私の彼氏、一氏ユウジの誕生日です。
彼はここ四天宝寺のテニス部に所属しているうえ、とても強い。そして性格もよく、顔も良いのでモテない訳がない。
つまり…私の彼の周りにはメス猫が群がっている訳です。
散れ!ユウジの周りにいる奴らよ、散りやがれ!!



「荒れとるなぁ」

『うっさいわ、黙れ謙也』

「俺まだ、何も言うてへん!」

『ほんま、うっさい』

「まぁ、今日はユウジが主役なんや。たまには大目に見てやりや?」

『やだ。あれでも白石よりはモテてへんのは分かっとるけど、やっぱりユウジが女の子の前でヘラヘラしとるんのはおもろない。』

「まぁ、彼女からすればそう思うんかなぁ」

「俺やったら、彼女がモテる方が嬉しいけどなぁ。な、謙也」

「おん。」

『…いや、ユウジがモテるんは嬉しいやけど、ヘラヘラしとるんがムカつくねん』



謙也や白石には分らへんよな。やって彼女おらんもん。
モテるんに彼女が出来ひんのは、女の子の気持ちが分らへんってのが問題なんとちゃう?



「ちゃうわ、アホ。俺の場合は敢えて作らんだけや。やないと、全国の子猫ちゃんに悪いやろ?」

『…たまに思うんやけど、白石って頭ん中が残念やな』

「謙也には負けるわ」

「なんやねん。俺こう見えても医者の息子やぞ」

『世も末やな、こいつが医者の息子やなんて。私、絶対に謙也が家継いだら、忍足病院には行かんわ』

「どういうこっちゃ、それ!」

『そのままの意味や、アホ。怖くて謙也に自分の命を任せられへんわ』

「何やとぉ!!」

「ちゅーか、忍足病院は内科やから手術あらへんやろ」

『あ、そっか』

「ふっ 馬鹿やな」

『いや、頭がプリンの奴に言われたないわ』

「誰がプリンや!!」

「あ、ほんまや。脱色してへん生え際がプリンに見えるで」

「え、マヂで?」

「おん。それかヒヨコに見えるわ」

『てか、謙也の髪って脱色した癖に柔らかいなぁ』

「な、ななな…!!」

『照れとるん?おもろー』


「浮気か!死なすどっ」

「おー やっと来たか。遅いっちゅーねん」

「俺達が挑発しとった意味がないやろ」

『え?』

「お前もなに白石と謙也と仲良く話しとんねん」

『なんやの。友達と仲良く話とるのが何であかんねん』

「友達言うても男やろが」

『自分かてさっきまで女子と話しとったやん』

「今はその話とちゃうやろ」

『私からしたら同じや!』

「・・・・・」

『今日はユウジの誕生日やから大目に見ようて思っとったけど、もう我慢出来ひん!なんやねん、なんでそんなプレゼント貰って喜んでんねん、私からだけじゃ物足りひんの?』

「お前…」

『な、なんやねん!』

「もしかして…嫉妬しとるん?」

『わ、悪いか!』

「ううん。可愛ぇ」

『か、かかか…!!』

「ほんま、可愛ぇ。」





(なんやねん、あれ。此処が教室やっちゅー事、忘れとるんちゃうか。)
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