俺、一氏ユウジはぶっちゃけホモや。
小春一筋!っちゅーのも嘘やなかった。
せやけど最近、小春より気になる奴が出来てもうた。
それは同じテニス部の後輩、財前光や。
気がつけばいつも目で追ってまう。多分、これは小春への想いとは別物やと思う。



「財前、今日調子えぇんちゃう?」
「謙也さんが調子悪いだけとちゃいます?」
「何やと、コラ財前!」
「冗談っすわ。それに謙也さんが調子悪いんはいつもの事でしょ?」
「どーいうこっちゃ、それ!」
「そのまんまの意味っすわー」



前までやったら、財前を生意気な後輩≠ニしか見とらんかった。
でも今は財前に弄られとる謙也が羨ましい。…俺ってMやったんか?
あ、財前と目が合ってもうた。



「ユウジ先輩、何すか?」
「え?」
「さっきから俺の事見とるやないですか。顔に何か付いとります?」



えぇぇええ!!俺、そない財前の事見とったんか?
単なる変態やん!…ちゃうちゃう、別にやましい気持ちで見とる訳やないわ。うん、大丈夫。





「ユウジ先輩ー?」
「ん?って、顔近いわ!!」
「顔、赤すぎっすわ」
「誰のせいやねん、誰の!」
「さぁ?…にしても、知らなかったっすわ。ユウジ先輩が俺のこと好きやったなんて」
「は?」
「うっわ、間抜け面すぎや。おもろいから写メってえぇですか?」
「おん、えぇで!…やなくて、何で!?」
「あ、別に深い意味はなくて冗談なんすけど」
「冗談やったんかい!」
「まぁ、本当やったら俺的に嬉しいんすけど」
「は?」
「は?」



…財前そんなん言われたら俺、勘違いしてしまうんやけど。
アホやから期待してまうぞ、俺。期待していいん?



「はぁ… せやから俺、ユウジ先輩のこと好きなんすけど」
「お、俺も財前が好きや!」
「知ってましたけど。てか寧ろあんだけ見られてて、気付かへん方が珍しいと思いますわー」
「な、ななな…!!こんの意地の悪い後輩が!!」
「元々っすわー …それにそんな後輩が好きなんは先輩やろ?」
「・・・っ!」



ほんま可愛げのないやっちゃな。…でもそんな奴が好きな俺も大概変なやっちゃな。
小春や俺と違うて他人を寄せ付けへんオーラとか滅多に見せへん笑顔にやられたんかもしれん。
…でも今は取り敢えず、両想いやっちゃーことが分かったからえぇか!



「全然よくないっすわ。…ま、取り敢えずユウジ先輩が俺のやってことを見せつけとかなですよね?」
「は?…んっ!!」
「うっわ、ほんまえろ」
「誰のせいやと…ふっはぁ…んっ」
「俺?」
「…てか、どこの世界に付き合った瞬間にき、キスする奴がおんねん!!」
「ここにおるやないですか」
「・・・・・。」



あかん、こいつ相当のゴーイングマイウェイやった。
今後もこいつのペースに呑みこまれると思うとむっちゃ怖いです。
とにかく、もう2度と白石の前でキスすんのをやめてくれ。めっちゃニヤニヤしとってキショいねん、あいつ!!
そして謙也は赤くなりすぎや。俺もつられて赤なってまうやろが!
…そして出来るなら、財前に告白してもうた数分前の俺を打ん殴りたい。


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