「財前が交換留学ぅーー!!?」
「ちょっ、落ち着いて下さいよ部長。」
「落ち着いてられるかいな!!なんやねんそれ!!誰が決めたんっ!!誰や俺の可愛い財前誑かしたんわーー!!!!」
「白石落ち着きーや!!」
暴走した白石を止めたのは謙也だった。とりあえず財前の話を聞こう、という謙也の言葉に白石も落ち着きをとりもどした。他の部員はハラハラしながらも黙って見守っている。
「なんでまた交換留学なん?そんなん今まで無かったやろ?しかも財前が行くなんて…」
「謙也の言うとうりやで!!何で財前なん!?そこら辺に暇な奴なんいっぱいおるやろ!!」
「俺も最初はそう思ったんすけど、校長先生にどうしてもって言われて…。」
「あいつかっ!!あんの校長が俺の可愛い財前たぶらかしたんかっ!!」
白石が怒りに震え、校長☆暗殺計画を脳内で考えていると財前が叫ぶように言った。
「それにっ!!俺に出来ることなんやったら力になりたいなって…。」
「…財前。……せやけど!!1ヶ月も財前と離れるなんて俺耐えられへんわ!!」
「なんで白石がそない悲しむんや!!」
「うるさいで謙也!!大体、お前は平気なんか?恋人と1ヶ月も離ればなれなんやで!!耐えられるんか!?」
「……実際、光と離れるなん嫌やけどしゃーないやんか。やって光はもう行くって決めたんやろ?やったら俺は応援するっちゅー話や!!光にはやりたいことやって欲しいんや!!……それに電話もメールも毎日するし、会いたくなったら浪速のスピードスターが自慢の足で会いに行けばいいっちゅー話や!!」
「…謙也さん…おおきに!!」
謙也の想いを聞いて、財前は赤くなりながら嬉しそうに微笑んだ。二人のやり取りをみていた白石も観念したように息をついた。
「…まったく、そないなこと言われたらもう嫌やなんて言われへんやんか…。」
「じゃあ…、いいんですか…?」
「しゃーないわ。やけどなんかあったらすぐに連絡よこし!!約束やで!」
「はいっ!!おおきに白石部長!!」
白石にも認めてもらえたことが嬉しく、財前は嬉しそうだった。そんなやり取りを見守っていた部員たちは口々に喋り始めた。
「良かったわねー財前ちゃん!!」
「まあ、頑張ってきーや!!」
「寂しくなったらいつでも電話してくるったい!!」
「誰かのために何かをしようと思うのはとても良いことや。頑張ってきなはれ。」
「こっちのことは気にせんと、しっかり学んできーや。」
小春、ユウジ、千歳、銀、小石川と順に財前に声をかけていく。
「…はいっ!!頑張ってきますわっ!!」
こうして、財前は正式に並盛中に行くことが決まった。
He looked at me for an explanation(彼は私を見て説明を求めた)