幸せな時間


好き。

ひとりでいる時間が好き。お気に入りの音楽を聞くのが好き。裏山の木陰で昼寝するのが好き。屋上で青空を見上げるのが好き。夕暮れで紅く染まる図書室が好き。部活終わりの静寂に包まれたコートが好き。

どれも同じくらい好きな時間。

でも一番好きな時間は……、

「財前、どないしたん?」

白石部長と一緒にいる時間。

「いえ、なんでもありませんわ。」
「そか?なんやぼーっとしとったけど。」
「部長と一緒にいる時間が一番好きやなって思ってただけっスわ。」

とくん、とくん……、心臓が一定のスピードで動いて心が落ち着く時間。部長と一緒にいると安心する。

「ほんまに?俺も財前といる時間が一番好きやで。やって一番好きな奴と一緒なんや、めっちゃ幸せな時間やんか。」

そう言って白石部長が優しく笑ってくれるから、だからこの時間が好きなんや。
たとえ嫌いな時間でもきっと白石部長がいてくれれば好きな時間に変わってしまうはず。やって好きな人といられる時間はいつだって幸せやから。

「部長、俺部長が好きっスわ。」
「俺も財前が好きやで。」

(好きな人と一緒にいる、)
(それだけで幸せ)








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