私は油断してた。
呑気にテニス部の実力を拝見やとか…。


『アレ?謙也の従兄弟じゃない方の打ったボールがこっち来とるd…クハッ!!


そしてテニスボールは私の鼻にスパーキング←ここ重要


『〜〜〜〜〜((痛』


突然の急激の痛みに半泣きで顔を手で覆う。

3.21秒後、都琶の元へボールが飛んで来た。
辺りは騒ぎ出し視線は都琶へと変わる。この瞬間の注目は全て都琶の物に…。


「………あの大丈夫ですか?」

『(…………誰や?)』



するとそこには丁度男テニのコート付近で1人、トレーニングをしていた生徒が都琶に声をかけた。

その人物こそ、これから学園生活を一緒に歩んでいく心友…八川久香である。


「えっと、本当に大丈夫ですか!?
ボールが顔にスパーキングしてたかr『あ"??』…ひっ!!」


久香は都琶を心配したが目つきの悪さに怯えてしまった。

すると都琶は久香の持っているラケットを目にし、それを手にした。


『知らん人間を心配してくれてありがとうね。きっと君の心は優しいね。
……そのラケット少し貸してくれるカナ??』

「えっ……貸すだけなら…どうぞ。でも、一体何に、」


ゆっくりと立ち上がりこう言った。



『何って?お見舞いしてやんだよ…フフフ((黒笑』


黒属性を召喚。漂いオーラで背後に魔王らしき実態が?!


「ひっ!!?」

久香が怖がったのも無理ない。
だって…黒属性を召喚したうえに都琶の身体は紅く染まっていたのだから。
紅の正体は先程のスパーキングで殺られた鼻。つまり鼻血が出たとの事。

柚原都琶は生まれつき鼻の粘膜が薄く日常茶飯事に鼻血三昧。
鼻血といっても良くトキめきや萌えなどの興奮ぐらいでした出た事がない。


『鼻血出させやがって…このヤロー』

ボタ…、ボタ…


大量の鼻血を出し、フラフラ…貧血状態の一歩手前。


そして注目が浴びる中、お腹に力を込めて叫んだ。



『そこぉぉぉぉぉぉ!!
R陣やら強いやら人気やらかて知らないけどミスったボールでもまともな所に当てろっつーの!!
こっちは鼻血大量生産でフッラフラなんだぞボケェェェ!
カッ消す!咬み殺す!!』



スパーキングされたテニスポールを握り締め右手に久香のラケットを持つ。
ボールを何度か地面に投げ付け体制を取る。


「(あれって…もしかしてこの距離から!?)」


パコンッ!!

『散れ千本桜』

お馴染みの2次元セリフを発し、力強いサーブを放った。



そのサーブは誰もが息を殺した。
なんせ…あの距離からコートにくっきりと後が残ってたのだから―――…。

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