都琶は校内を迷う事なく職員室に辿り着いた。
2次元の王道…「迷って運命の出会いしちゃった★」にはならなかったようだ。

『私凄い。迷わなかったヨ!!』





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『失礼します……』


「あら、もしかして編入試験者の渡邊都琶さん?」


1人の女教師が声をかけた。この教師こそ後に関わりを持つ事になる人物、藤井友恵だ。


『はい。そうですが…』


「アレ…書類の写真とは随分違うような…((汗」

『え"っ…イメチェンですよ!
(って…どんな逆イメチェンやねんっ!!!)』

「………そっそう?(変わった子ね…)」


因みにその写真は母親、早紀が勝手に選んだ物であったとさ。←




そして都琶は部屋に案内され試験スタート。



「…渡邊さん緊張しなくていいのよ?
氷帝はエリート学校だけどこの試験は1年の総復習だから安心してね」

『はい……。
(1年の総復習やと!?安心出来ひんわーーー!!!)』


友恵は安心しろと言ったが私立の問題だ。難しいのは当たり前。


「えーっと…時間配分とか教科順はないから出来たら他の教科に移って構わないわ。
問題数は普通よりは凄く少ないから11時20分に終了ね」


『あっ、はい。分かりました』

「じゃあ…始めてください!」




編入テスト開始―――


第一教科・英語


『(へへっ、幼い頃から何年も外国育ちや。日常みたいなモンやし楽勝やで!)』

スラスラと解答を書いていき最短時間で終わった。


第二教科・現国


『(うわ〜漢検的な問題多いなぁ。小説も知ってる内容やし余裕、余裕)』

普通に解けた様だ。


第三教科・社会


『(歴史〜歴史〜戦国武将〜♪)』

妄想という名の素晴らしい力で挑んだ。


第四教科・理科


『(……アレ…普通に解ける。
あっ…この問題、蔵に前注意されたところや!!)』

苦手な理科が白石のお陰で解けたらしい?


第五教科・数学


『(……数学応用問題難しい。基礎問題は確実に取らなアカンか。
えーっと小春が言ってたボケとツッコミはX2と出来る!!!)』

小春のお陰でこれも何とかクリア?


テスト終了―――




『…でっ出来ました』

「あら、思ってたより早かったわね。
お疲れ様…それじゃあ至急採点するから校内見学してて構わないわよ?」

『え、嫌…まだ合格か分からないし意味ないんじゃ……』

都琶は友恵に疑問を抱いた。


「んー私が見た感じテスト全然大丈夫じゃないかしら。
それに帰国子女なら氷帝は大歓迎だと思うけど…まあ見て損はないから行ってみたらどう?」

にっこりと友恵は笑った。


『じゃあ見学させてもらいます。一旦、失礼します』

都琶はさっそく部屋を出て校内を回った。






「やっぱり帰国子女だけあって英語は満点ね、英語教師として嬉しいわ♪
……………あっ、テニス部の事言うの忘れちゃった((汗」

その頃、友恵はただ一人…テストの採点をしていた。






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『凄いな〜金持ち学校だ。あっちは渋かったよね〜』

プラプラと校内を歩いていた。
正しくは探検気分で歩いていた。


今は春休み。此処に居る生徒は部活で来ている生徒ばかりの様だ。
廊下には人っ子1人居ない。


『そーだ…氷帝テニス部の実力を拝見しに行こうかな?
今は変装中だしバレない、バレない』


楽しそうに外へ向かった。
因みに全力疾走で……。
















「あーん?見かけない制服だな……何処の学校だ」


その姿を校内にたまたま居た跡部景吾が目撃してしまった。
氷帝学園テニス部部長兼生徒会長……キングに。


「…にしても綺麗だったぜ。後ろ姿」



都琶の不運はまだまだ続く―――

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