つぎはぎ天使。
彼の3倍はあろうかという喰種の体を、
アオギリの樹襲撃の日、
引きずって持ち帰ってきたのだ。
もっとも、今回は什造が発見したときには
すでに虫の息だったらしい。
(持ち帰られたジェイソンは酷く損壊しており、
おそらくこれは喰種がなかなか死なないのを
什造が面白がったためと思われる。)
「はい〜、かっちょいー鎌にしてもらいました。」
「ジェイソン的には鎌ってどうなんだろうねぇ」
にぱっ。
笑ったかと思うと、私の手を掴んで歩き始めた。
−見せてあげます、ボクのジェイソン。
白い髪がふわりとなびき、
ピアスがわりに縫い込まれた糸が見える。
また、ぺたり、ぺたりと音が響く。
死に際、ジェイソンは什造の事を「てんしさま」と呼んだらしい。
私もそう思う。まるで女の子のような容姿がその要因だろう。
「ジューゾーちゃん、ラボはこっち。」
細い腕を、引いて歩く。
私のかわいい真っ白な天使。
また、任務のあとは、
その髪を、肌を、赤く染めて帰ってくるのだろう。
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