委員長と愉快な仲間達 | ナノ
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─────……



その出来事を知ったのは、俺が委員長と出会って間もない高校一年生の冬。
委員長とクラスが別だった俺は彼女のことを“いつも臨也とつるんでる女”くらいの認識だった。
話したことは数える程。それも、臨也を間に挟んで一言二言くらいだ。
だから特別仲の良いわけでもなかった。

その日、俺は昼休みに屋上で昼寝していた。
グラウンドでは平和島静雄が他校生とケンカしている(音が聞こえた)。
しかしそんなことはいつも通りの日常である。
構わず寝ようと思った矢先、扉の音がして、誰かが屋上へ来た。



「…まだ来てないみたいね」



やってきたのは女子数人。同じクラスで見覚えのある女子もいた。
向こうからはタンクが陰になって俺は見えていない。

何する気だ?まぁ何でもいいが、早く片付けてくれよ。
そんなことを考えていると、ガチャッ!と再び扉が勢いよく開いた。



『…寒っ!あり得ないんだけどコレ!誰よこんなとこに呼び出しやがったのは!』



…あいつはいつも臨也と一緒にいる…委員長?

委員長は相当イライラしてるらしく、『階段キツいんじゃァァ!』と空に向かって吠えた。
いつ見てもすごい女だ。



「来たわね 山田さん」

『あんたは…臨也と同じクラスの…。で、ご用件は?』

「そんなの決まってるじゃない。金輪際、折原くんに付きまとわないでほしいの」



………は?



『…は?』



委員長と俺の心の声がほぼ同時に一致した。

何かと思えば、こいつら臨也のお取り巻きか。
やつは性格は難ありだが、顔は良いからな。
いつも一緒にいる委員長が邪魔で仕方ないんだろう。



『え、何それ!そんなくだらないことで呼び出されたの私!』

「何ですって!?」

「折原くんだって、貴女のことなんか迷惑に決まってるんだから!」

「折原くんが優しいから言わないだけよ!」

『あいつの何処に優しさがあるの!?』



取り巻きの女子には何らかのフィルターがかかっているのは確かだ。
俺は激しく委員長に同意した。

それにしても、女子は本当に群れるのが好きらしい。
その後も次々 委員長に罵声を浴びせ、ついには一人の女子が委員長に手を出した。
これにはさすがに俺も驚き、思わず声を出しそうになったが。

臨也と対等の女が黙ってるはずなかった。
俺がそこで見た光景はもう一生思い出したくない。











──────…










噂に聞くと、委員長を呼び出す奴らは毎日毎日絶えないらしい。
どれだけやられようと立ち向かう女子達の精神はある意味見習うべきところがあると思う。
が、委員長にしてみれば毎日呼び出されるのもいい加減ストレスになっているだろう。
そこに輪をかけるように今日の臨也とのケンカ。
それでなくとも彼女は静雄と臨也の仲介に入ることが多いのに、だ。
俺だったら精神がおかしくなるところだ。



「とにかく、委員長にも色々あるんだ」

「…………」



臨也は疑わしげに俺を見ていた。


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