委員長と愉快な仲間達 | ナノ
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『頭にきた!あんた本当最っ低!』

「何それ、誉め言葉?」

『誉めてないわよ 馬鹿!』

「馬鹿って言った方が馬鹿って知ってた?」

『小学生か!』



こんな喧嘩は、もう日常茶飯事だ。




委員長と門田くん




「おい、喧嘩はやめろよ」

「『ドタチンは黙ってて!/黙っててよ』」

「……………」



ことの発端は数分前、俺が便所に行った間だった。
だから理由は分からない。しかしくだらない事なのは確かだ。
言ったらさっきみたいに火の粉が降りかかるので言わないが。



『ハモらないでよ!』

「それはこっちの台詞」



キィィ!と奇声を発する委員長とは違い、臨也はこの喧嘩を楽しんでるようだった。
どんどん出てくる彼女の罵声をひらりひらりとかわすように言い返す。
その態度が委員長も気に食わないようで。

………嫌な奴だ。臨也は人の苛立たせ方を知っている。
からかうなら委員長以外にすればいいものを。

はぁ、とため息を漏らした。
その間にも、二人の喧嘩はヒートアップしていった。
周りにいたクラスメイトもびくびくしながら様子を伺う。



『あんたって私を怒らせることしか言えないの!?』

「正直な口なもんでね」

『…っ…あっそう!もうあんたとは口きかない!
次会うのは法廷の上よ!!』



覚えてろこのハゲ予備軍が!と物凄い剣幕で委員長は教室を出ていった。
廊下を走っていく足音が遠くなっていく。



「ぶっ、あはははは!ドタチン聞いた?次に会うのは法廷の上らしい」

「…いいのか?」

「構わないよ。委員長が何処に走り去ろうが、髪がフサフサの俺をハゲ予備軍と言おうが、俺はいっこうに構わない」

「そういう意味じゃねぇ」



つーかハゲのくだりはちょっと根に持ってねぇか?

臨也はいつものニヤリとした笑みを浮かべて委員長が閉めて跳ね返ったドアを見た。



「じゃあ口きかないってやつ?見てなよ。放課後にはそんなの忘れてる」

「お前な…」



その内 愛想尽かされるぞ。
そう言おうとしたが止めた。言っても無駄だ。
実際そうなるのは目に見えてる。



「ドタチンは委員長に甘過ぎるよ」

「いい加減そのあだ名止めろ。…委員長にだってそれなりの言い分はある。ちゃんと聞いてやったらどうだ」

「へぇ…珍しいね。ドタチンがそんなに委員長の肩持つなんて」



臨也は少し驚いたような顔をして俺を見た。

俺は委員長に対して、正当な評価をしているつもりだ。
確かにおかしな発言をしたり、馬鹿なことをする時もある。
しかしその分をカバーする出来事が、彼女にはあるのだ。



「もう少し、委員長のことも考えてやれよ」

「……………」



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