『ふう、なんかいっぱい貰っちゃったな〜』



結局、その場で甚平に着替え、着物も殆ど貰ってしまった。
あと金魚草。どうしよコレ、貰ったはいいけど育て方が謎すぎる。
水だけでいいのかな。

部屋に帰ろうと食堂の前を通ると、聞き慣れた声がした。
あのデカいおっさんと黒い鬼は…



『鬼灯さんと閻魔様?』

「あ、里穂ちゃん」



声をかけると二人とも私に気付いたようで、箸を止めた。
二人でご飯たべたりするんだ。
なんやかんやで仲良いよなあ、二人。



『わ、閻魔様 何食べてるんですか?』

「シーラカンス丼」

『貴重な生きた化石をそんな当たり前のように…!』

「美味しいよ」

「貴女こそ その格好は?」

『いいでしょう?お香さんに貰ったんです』



返事をしながら鬼灯さんの隣に座る。
金魚草は邪魔にならないように下に置く。



「うん、よく似合ってる」

「甚平が似合うって女子(おなご)としてどうなんでしょう」

『いいじゃないですか!動きやすさ重視なんです!』



誰かさんのせいでな!
とは嘘でも言えない私はやっぱり根性無し。
ガックリと肩を落とした、
その時だった。



「!…里穂さん これは…!?」



鬼灯さんが下に置いた金魚草を見てハッとする。
め、珍しい。なんか興奮してるみたいだ。



『金魚草っていうらしいです。これもお香さんから貰って…』

「まだ小さいですね。可愛らしい」

『………え、』



ええェェエエエ!?
大丈夫かこの人!可愛いっつった!?今可愛いっつった!?



『ほ、鬼灯さん…金魚草に詳しいんですか?』

「詳しいも何も、金魚草の生みの親は鬼灯君だからね」

『……は?』

「私が品種改良しました」


鬼灯さんの言葉に開いた口が塞がらない。
そうか!だからお香さんあんなこと…!
あっぶねー!普通にキモいとか言いそうだった!
つーか改良されてねーよ!いや退化でもないけどさ!



『これってどのくらい大きくなるんですか?』

「長寿のものは3メートルになりましたよ」



デカッ!!!
ちょっと待って!そんなにデカくなるの!?
部屋に入らねーよ そんなん!鉢植えじゃ絶対間に合わないし!



「よろしければ肥料やエサ等 参考になる本を貸しますが?」



なんか薦めてきた…!



『ああ、いや、あの……そそそそういえば、さっきから何のテレビ見てたんですか!?』



私の華麗なるスルーに鬼灯さん何だか不服そうだったがそんなの気にしないぞ。










その後、やっぱり鬼灯さんは私の金魚草が気になるようで、様子をしょっ中 聞いてきます。

まあ、生みの親だしそれは仕方ありませんが、
金魚草を飼う心得 全129巻(著者:鬼灯)を無理矢理 押し付けられました。

…そろそろ訴えたら勝てるんじゃないかと思った。



そんな私の日常

(全く慣れそうにありません)



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・進