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女子高生といえばやっぱこれだよなー。
私と彼と非日常 9
「ほらよ」
『え?』
シズさんの部屋に呼ばれて、何かと思えば突然手渡された二つ折りの便利な機械。
『…何ですかコレ』
「見りゃ分かるだろ。携帯だ」
『んなもん知ってますよ!』
ナメんなよ!いくら流行に疎いからって私だって女子高生だぞ! 私が聞きたいのは何で携帯がここにあるのかということだ。
シズさんが持っているオレンジ色の携帯と色違いのそれは、可愛らしいピンク色をしていた。
「前みたいに帰りとか遅くなった時不便だろ。特にお前はちょこまか動き回るからな」
『ちょこまかって、人をまるでハムスターみたいに…』
「無理矢理 例えを可愛いくするな」
酷いなオイ。いいじゃん、小動物的なヒロイン目指してますから私。 意識してる時点でアウトな気がするけどそこはスルーの方向で。
『でも勿体無いですよ。遅くなる時は店の電話借りるし…今まで使わないでやっていけてたのに』
「やっていけてたのはお前が一人で暮らしてたからだろうが。ちったぁ俺のことも考えろ」
…そうか。今は一人じゃないんだった。 そう思うと嬉しいような恥ずかしいような変な気分だ。
『シズさんも意外と心配性ですよねー』
「あ?」
『いえ何も』
「金のことなら気にすんな。お前の携帯代くらい出せる」
『マジで?キャッホォォォイ!!』
「…嬉しそうだな」
『そりゃそうですよ!こんにちはマイ携帯!さようなら公衆電話!』
「お前、俺が払うからってあんまり無駄遣いはするなよ」
『モ○ゲーモ○ゲー!』
「てめっ、人の話聞きやがれ!!」
バシィッ!
♂♀
『あいたたた…』
命からがら逃げてきた私はどこを行くでもなく池袋をうろうろ。
ったく、殴ることないじゃん。冗談に決まってるのにさー。これが漫画ならトリプルのタンコブ出来てるよ。 心の中で悪態付きながらも、右手に持っているピンクの携帯を見ると何だかにやけてしまう。
むふふ、今日からお前は私の相棒だ!
ピ、と相棒の電話帳の画面をひらく。 すると一件だけ既に登録されていた。 ''平和島静雄''と書かれたそれにはちゃんと番号とアドレスがのっている。
『写メも入れられるのか…今度寝顔でも撮ってやろっと』
アドレスも集めていかなきゃなー。 シズさんめ、どうせならセルティさんあたりのやつも登録してくれたらよかったのに。 自力で聞かないとじゃん。 ぶっちゃけ面倒だけど仕方ない。電話帳に一件しか登録してないなんて悲しすぎる。
『新羅さんの所でも行くか』
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