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不思議なことってあるんですね。
私と彼と非日常 7
とある土曜日の昼下がり。 学校は昼で終わり、バイトも今日はお休み。 シズさんはお仕事で朝からいない。
『なんか面白いことないかなー』
いつもシズさんと取り合いになるクッションを枕に、ソファーに寝転びながらテレビの電源をつける。
こんな姿見られたらシズさんに「だらしねぇな」とか言われそうだ。 最近心なしか小姑になってきてるからなぁ あの人。
『あ、これ…』
無造作に回していたチャンネルをある番組で止める。 それはつい最近 最終回を迎えたばかりのドラマ。
もう再放送やってる。人気あったもんなー。 というより、主演の人の人気がかなりのものだったらしい。 名前は確か…はね?…違う…なんとか…幽平?あれ、なんだっけ? 真央ちゃんも騒いでた気がするんだけど… まぁそのなんとか幽平さんが超売れっ子なわけだ。 シズさんもこのドラマ録画してたし、男女問わず人気なんて本当にすごい。
それにしてもイケメンは何しても絵になりますな。 まぁ、 イケメンにろくな奴はいないって私の周りの人間が証明してますけど。 テレビで見るだけなら害は無いし良しとする。
『ふぁあ…』
ベランダからの気持ちのいい風を受けて、眠気が襲ってくる。 2時か…シズさんが帰って来るまではまだ時間がある。 ちょっとくらい寝てもバチ当たんないよね。
『おやすみー…』
私は何の躊躇もなく、夢の世界へと旅立った―――
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