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夜。
シズさんが珍しく無傷で帰ってきて、今 私達は晩御飯を食べている。

私はいつものテーブルで。シズさんはソファーの前にある小さなテーブルで。
……何、この距離感。



『…………』

「…………」



無言。
部屋にはテレビの中の笑い声だけが響いていた。

なんつーか…うん、気まずっ!
何で私がこんな気まずい思いしにゃならんのよ。
怪我のことはもういいっつってんのにまだ気にしてんのかよ シズさんめ。

なんだかこの空気(とシズさん)に腹が立った私は、自分の茶碗と味噌汁を持ってシズさんのいる小さなテーブルにそれを置いた。
そしてシズさんの向かいに座る。
ボーッとテレビを見ながら食べていたシズさんは視界に私が入ってきたせいで少し驚いた顔をした。



「おい、邪魔『倦怠期の夫婦か!!』

「は?」

『会話のない晩御飯て!私達は倦怠期の夫婦かっつってんですよ!』

「待て。いつ俺とお前は夫婦になった」

『例えだろうが!』



シズさんは何ていうか、ズレている。
もし私が親父だったらちゃぶ台返しの一発や二発しているところだ。



『率直に聞きます。シズさんは何で私を避けてるんですか』



じっと見つめてやると、眉間に皺を寄せる。



「………避けてなんかねーよ」

『ハイ嘘。嘘つくならその間をなんとかしろ 間を!』



分かりやすいにも程がある。
目まで反らしちゃってるし。


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