よく晴れた某日、瞳子は仕事に行き、晴矢や、風介はどこかへ出かけてしまい、家にはヒロト一人だった。
窓からは日差しが差し込み、ヒロトを睡魔に襲わせる。だんだんと目蓋が重くなり、心地好い時が流れようとしていた。
が、それをさせるものかと、家の中にピピピピと電話の音が鳴り響く。
このまま無視して夢の 世界へ旅立ちたいのがやまやまだが、家の中には彼しかいない。
ヒロトは小さくため息をつき、立ち上がり元凶となる電話へと向かう。
元凶の前に着くと、それはまだ鳴り響いていた。
受話器を手に取ると音は止み、もしもしと応えると受話器の向こうから豪快な声が聞こえてきた。



「はじめまして、私大海原中学サッカー部の監督をしている者ですが、基山ヒロト君はいらっしゃいますか?」


「基山ヒロトは俺ですけど…」


「じゃあ話が早い!ヒロト君、君うちの綱海がいる円堂君率いる雷門と試合をしてくれないか?」


「え、雷門と!?」



大海原監督の話を要約すればこうだった、雷門は現在もっともっと強いチームを探していて、
それならば、と大海原監督は強いチームから選手を引き抜き、もっと強力なチームを作っているのだとか。
ヒロトの心は先ほどの一言で高鳴っていた。もう一度円堂達と試合が出来る、そのことが頭を支配し、その話を二言で承諾していた。
これが後のヒロトの受難の全ての原因になるとは知らずに。






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