シャチの場合

「なんだこれ」

「あ、これ私知ってる。○○するまで出れまテンって奴だよ確か」

「なんかそれ混ざってね?俺知らんけど」

「まあ似たようなもんだべ。えーと、あ!お題の紙!」

「なになに。『この部屋を出たければ』」

「『お互いにキスすること(どこでもOK)』」

「…」

「…」

「…うちらってさ」

「…おう」

「そういうんじゃないよね…」

「同じ気持ちで安心したわ…」

「いやシャチはドキドキしろよ」

「お前のどこにドキドキする要素あるんだよ」

「あるでしょ!どっかしら……あるでしょ!!」

「自分自身で見つけられてねえじゃねえか!!」

「…まあお互い割り切って覚悟決めようぜ」

「…俺船長に殺されたくない…」

「なんでそこで船長が出てくんのさ」

「お前本当に色気の欠片1ミクロンもねえな」

「なんで今蔑まれたの!?」

「あーもういい早く済ませるぞ!!」



額のキスは友情の証
(帽子越しだからよくわかんなかった)


ペンギンの場合

「でたなキスしないと出れない部屋」

「私一回経験してるんでもう良くないですか」

「もう部屋に入っちまったんだからしょうがないだろ。さあどこにする?」

「なんでそんなノリノリなんですかペンギンさん…」

「名前なのが残念だが女の子に変わりはないからな」

「いや、え?残念?え?幻聴?」

「九蛇の海賊女帝だったら最高だったなー」

「その前に石にされてTHE ENDですからね!」

「それもそうだな。じゃあ先に俺からな」

「はや、え、…手ですか」

「キスって場所によって意味が違うの知ってたか?」

「へー、知らんかったです。手の甲ってどういう意味なんですか?」

「はは、それは秘密。」

「ペンギンさんのいじわる!てかこれ照れるんですけど!!」

「ほら早くしろー」



手の甲のキスは敬愛の証
(この余裕、さすが大人の男…!)


ベポの場合

「キスしないと出れない部屋?」

「…またこの部屋だ…」

「シャチとペンギンが言ってたのこれかー」

「私三回目なんだけど…まあベポだしいっか!!」

「おれメスのくまがよかったなあ」

「ベポに振られた!!!」

「でも人間のメスの中なら名前が一番好きだよ!」

「嬉しい!でもメスってなんか複雑!!」

「でも不思議な文化だよなキスって」

「くまにはないもんね」

「ないね」

「んー。どこにしようかな。毛が口に入るからなあ」

「毛むくじゃらですみません…」

「打たれ弱っ!!」



鼻先のキスは愛玩の証
(ベポの鼻先は少し湿ってました。健康な証拠だね!)


ローの場合

「…お、恐れていたことが遂に……!!」

「なんだこの部屋は」

「船長!いっちょここは”ROOM””シャンブルズ”つって外出ましょう!」

「おい今の俺のマネか」

「いだだだだだ!!!ちょっと似てません!?あだだだ頭割れるううう!!!」

「似ててたまるか」

「はあ、はあ、とにかく能力で出ましょう」

「おいお前その背に隠してる紙はなんだ」

「こここれはゴミですよ。ゴミが落ちてたんです!」

「いいから貸せ」

「いやああああ!!あっ…」

「『キスしないと出れない部屋にようこそ』?」

「…」

「…」

「…だからゴミだって、シャンブルズで出ましょうって言ったんですよ…」

「…別に場所はどこでもいいんだろ」

「は!?そうですけど、いや、だってそれは、」

「お前の反応を見る限りこの部屋が初めてな訳じゃねえだろ」

「ぎくり」

「シャチとペンギンとベポがキスがどーのとコソコソ言ってたのはこれか」

「…バカヤロー共め!!」

「あいつらとは出来て俺とはしたくねえと」

「ちょちょちょちょ!!ちか!!船長ちかっ!!」

「そういうことか」

「ちっ、だって、だって船長だときんちょうしちゃうんですよ!!」

「は?」

「ちょ、とりあえず離れて!!無理です!したくないとかそういうんじゃなくて、羞恥に耐えられないんですよ!!」

「あほか」

「あ、あほでいいです!だからもう能力で出ましょうって!」

「おい名前こっちむけ」

「、いやです!」

「じゃあ力ずくだな」

「脅しいくない!!」

「名前」

「〜!…するならひと思いにお願いします…!!」

「じゃあ遠慮なく」

「!!!???」



首筋のキスは執着の証
(早くお前もしろよ)
(…殺される…助けてくれ…)

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