sweet H・N・Y! 2 それからはもうただ必死で、嵐くんの声を聞きながら奉仕を繰り返した。 嵐くんの弱いとこ。 気持ちいいとこ。 上手くできている自信はないけど、漏れる熱い息が、潤んだ瞳が、頭を押さえつける手が、感じてくれているのだと教えてくれた。 「やば、離せ…っ」 「んんっ、んーっ!」 限界が来たのか嵐くんが咄嗟に頭を引き剥がそうとしたけど、離すタイミングが遅くて、放たれた精液を口の中で受け止めてしまった。 ドロッとしたものが口内に絡み付く。飲んだ方がいいんだろうなとは思ったけども、初めてだし酸素も上手く回ってなくて、ちゃんと飲み下せなかった。 う、どうしよう。飲めないし吐けないし苦しくなってきた…。 「大丈夫か?無理しないでここに出せ」 「ん、う…は、ケホッ」 嵐くんが両手をおわんのようにして差し出してくれたので、そこに飲みきれなかった分を吐き出す。 それを素早くティッシュでふき取り、近くのゴミ箱に放り投げた。 「ごめんなさい…ちゃんと、飲めなくて、」 「いや、おまえは悪くない。俺こそ、悪かった」 大きな手で頭を撫でられる。 サラサラと髪を弄んだ後、指を滑らせて首筋まで下ろし、親指の腹で鎖骨をそっと撫でられた。 「ふぁ…」 「俺も、してやる」 「え、きゃっ」 突然嵐くんが私の腕を掴んで立ち上がり、ベッドへと倒れこんだ。 仰向けに寝かされると、がばっと両足を持ち上げられて下着を脱がされる。 嵐くんのものを奉仕しながらも私のそこは凄く濡れていて、いきなり外気に触れたせいで寒気が走った。 くちゅ、と音を立てて嵐くんの指が中へと入ってくる。 スカートが脱がされていないせいで直接何をしているのかは見ることはできなかったけど、視覚よりも感覚の方が敏感に様子を伝えていた。 入り口を浅く抜き差しされる。擦れて気持ちが良かったけど、もっと奥の方が疼いて止まらない。 「あっ…あらし、くん…ア、」 「これ、裾持て」 「う、…ゃん、ダメ…っ!」 渡されるままにスカートの裾を握ると、嵐くんがソコに顔を寄せて舌を差し込んできた。ぬるぬると忙しなく舐められ、じゅる、と吸われる。 指とは違う感触に翻弄されて、ただひたすらに喘がされた。 「は、あ、あうっ…も、やめて…っ」 「ん…ダメだ、もっとしたい」 「いやあっあ、そこ、やだぁ!」 中だけじゃなくて、そのすぐ上の敏感なところまで弄られて、もう自分でも何を言っているのか分からなくなってきた。 生理的な涙が溢れて頬を伝う。その感触さえも、敏感になった身体に甘い痺れを誘う。 気持ちいい。良すぎてワケがわかんない。 「あっあっ、も、イっちゃ、う…!」 「いいぞ、イって。…イけ」 「ひゃ、あ、ああっ―――!!」 ざわざわと身体中に何かが駆け巡っているような、血液が一気に吹き上がるような感覚のあと、ビクビクと身体が震える。 何度か痙攣したのち、くたりと身体の力が抜けた。息が荒い。 ああ、イっちゃったんだ。 「大丈夫か?」 「ん…」 腕で口を拭いながら嵐くんが顔を覗き込んだ。何度か頷いて返事を返すと、優しく頬を撫でられた。 正面からコツン、と額同士をくっつけられる。視界いっぱい嵐くんで満たされる。 「大丈夫なら、いくぞ」 「うん…ん?」 どこへ?なんて本気で聞き返そうとしてしまう前に、いつの間にかゴムを付けた固くて熱いものが下半身に触れた。 クチュだかヌチュだか、とにかく恥ずかしい音と共に私の中に嵐くんが入ってきた。 指や舌とは明らかに違う太いそれが、じわじわと押し広げながら中を満たしていく。苦しくてぱくぱくと陸に上げられた金魚みたいに呼吸を繰り返す。 痛みに耐えながら深く息を吐くと、一番奥まで嵐くんがおさまっていた。 「は、…は、ぁ、…」 「苦しいんか?少しだけ我慢してくれ」 「うん、…へ、平気…!」 なんとか笑顔を返すと、そうか、と嵐くんも笑う。 指を絡めて手を繋ぎ、もう一度深く息を吐いたタイミングで嵐くんが動き出した。 ズルズルと後退したあとに勢いよく中を突かれる。痛いのと苦しいのに気持ちいいのが混ざって、ゾワリと背中が浮いた。 「ああっ!…ん、あうっ」 仰け反った首に食いつかれる。予想外に柔らかい唇が、肌を這う舌が触れるたびに感じてしまう。 変にお腹に力が入ってしまい、きゅうきゅうと嵐くんを締め付ける。それに抗うように早急に抜差しされ、目の前がチカチカする。 「あ、あんっ…も、イく、やあっ…!」 「はっ…は、おれ、も…っ」 「んむ、…ン、んんっ」 ゴツゴツとずっと奥ばかりを突かれ、急激に激しくなる快感の波が一気に襲い掛かってきた。爪が食い込んでしまうくらいに嵐くんの手を握ると、包み込むように握り返してくれる。 キスを繰り返しながら夢中で腰を振る。 口の中も、お腹の中も、頭の中も、ぐちゃぐちゃのどろどろ。 「や、あ、ああ、」 「くっ、」 さっきとは比べ物にならないくらい、ぞわぞわと身体中に甘い痺れが走ったと思ったら、途端に弾けて頭が真っ白になった。 うっすらと目を開ける。 目の前には嵐くんの顔があって、優しく頬を撫でてくれていた。 あれ、もしかして私、意識飛んじゃってたの…?! 「ご、ごめんなさい、私…んっ」 「急に動くな。まだ、繋がってっから」 「え、あ、ホント…」 身体を起こそうとしたら、下半身がゾクリと疼いた。 言われるままに見下ろせば、確かにまだ嵐くんがそこにおさまっていて、なんだか途端に恥ずかしくなってしまった。 やだ、またなんかジンジンしてきたかも…。 意識を紛らわそうと部屋を見渡すと、壁にかかった時計が目に入った。短針は12をさし、長針は3と4の間をさしている。 「あっ年越してる!」 「本当だ。年末も新年もずっとくっ付いたままだったな、俺ら」 「う、うん…」 さらっと言われたけど、これはなかなか恥ずかしい状態なんだと思うよ、嵐くん! 取り合えず抜いてもらわなければ話は進まない。 起き上がるためには嵐くんに退いてもらわなければならないので、何とか身を起こして意思表示しようとしたら、いきなり抱き締められた。 「あ、嵐くん…?!」 「…ちょっと遅くなったけど、明けましておめでとう。今年も、よろしくな」 「え?!あ、こ、こちらこそっ」 び、びっくりした。 言われていることは普通なんだけど、今このタイミングはズルいというか反則というか。 変な返答しか、できなかった…。 「と、取り合えず服!服着よう?風邪引いちゃうよ」 抱き締められてると暖かいけど、ずっとこのままだと嵐くんが風邪引いちゃう。 お風呂温め直した方がいいかな。いや、なにより早く抜いてほしい。 身じろきする度に敏感なところに触れるもんだから、背中のゾクゾクが止まらなくて困る。 無駄だと分かっていながらも抜け出そうともがいていたら、嵐くんが耳元で囁いた。 「なあ、おまえ姫初めって知ってるか?」 「へ?ひめ、はじめ…?」 ひめはじめ。 秘め、初め? …ヒメハジメ!! 「ししし知ってるというか聞いたことはあるというか、」 「なら話は早いな。やるぞ」 何を!! なんて聞くまでもない。 いつの間にか私の中にいた嵐くんが大きくなっていて、ゆっくりと動き始めた。くすぶっていた熱に再び火がつく。 「やだ、もうむりぃ…!」 なんて。 嵐くんから与えられる快感に逆らえるはずもなく。 結局新年一日目は嵐くんが満足するまで翻弄され続け、疲れ果ててしまった私は三が日をほとんど寝てすごす羽目になってしまったのでした。 Holy Night【101211-110131】 ←back other |