メランコリックボーイ 1



たった一枚の布を省いただけなのに、ソコから匂い立つ女の香りにクラクラする。
既に脳内麻薬が出ているのか、まるでソレは蜜か何かのように甘い。
恥ずかしそうに膝が抵抗しようと閉じる素振りを見せたが、無理に割って入り阻止する。グッと顔を近付ける。やはり、甘い香りがした。

「じゅ、じゅんぺー、く」
「……んー?」
「あの、恥ずかしいん、だけど、」
「ん、…あ、ああ、ごめん!」

しまった、マジマジ見すぎた。
イヤだってこんな間近で見るの初めてだし、しかもずっと好きだった女の子のだなんて興味あるでしょやっぱ。
視線だけは彼女に戻しながらソコに触れる。ヌルヌルと擦り付けるように指を滑らせて、初めて触るのがバレないようにAVで見た記憶を総動員させた。

「ん、」

真っ赤な頬が更に赤く染まる。
なんて使い古されたような表現だけど、正しく彼女は頬を赤らめ、目にはうっすらと涙の膜が張られていた。

「あ、やっ」

断続的に聞こえる小さな喘ぎ声が可愛くてもっと聞きたくて、次どうやるとか余裕持った触り方だとか考えてる場合じゃない。半ば本能的に彼女の中に指を押し込んだ。

「ひゃっ、ぁ…」
「…痛い?」
「へ、へい、き、」
「息、吐いて」

そっと頭を撫でて力を抜くように促すと、彼女は小さく頷いて息を吐き、肩とお腹に入っていた力を抜いた。
まずは入れた指を鉤状に曲げたり膣内を探りながらイイトコを探すけど、一本だけじゃわからない。
てか、中より初めはこっち触った方がいいのかな?
小さな穴の上にある真っ赤に膨れたソレを親指で弄ると、ビク、とみなこちゃんの体がまた大きく跳ねた。それと同時に中が濡れてきたいみたいで、これならもう一本入れても平気かも。

にちゃにちゃと卑猥な音が響く。生理的な涙を流し始めたみなこちゃんが手で顔を隠そうとするのを遮って目元にキスを落とした。
恥ずかしそうに微笑む彼女。
なんかもう余裕とか焦りとかいろんなもんが吹っ飛んじゃって、とにかく彼女のイク顔がみたい。
胸を弄りながらまんべんなく中を調べていたら、大袈裟に彼女の肩が揺れた。
あ、見つけたかも。

「や、あ、ん、ぅんっ」
「ここ、弱いの?」
「ぁ、や、はぁっ、だ、ダメ…」
「大丈夫、イって、みせて」
「あ、ああっ―――」

一際大きく彼女の身体が痙攣し、きゅう、と指か締め付けられる。
スゴい、中ヤバイ。
はあはあと大きく息を吐きながらぐったりしているみなこちゃん。ダメだ、少し待った方がいいんだろうけど、俺の方が持たない。

枕元においてあったゴムを引ったくり、歯でビニルを破る。待て、慌てんな俺。でも早くあの中に入りたい。一つになりたい…って、なんか乙女な、俺…。
自分の思考にゲンナリしたおかげで少し余裕を取り戻す。きちんとゴムを被せ、未だ朦朧としているみなこちゃんに覆い被さった。

「あ、じゅんぺ、くん」
「みなこちゃん。好きだよ」
「え、あ、わ、わたし、も…」

好き、と消え入りそうな声で、それでも甘い笑顔のまま呟くもんだから。
ひくつくソコに、昂ったままの自身を押し当てた。

「は、うぅ…!」

狭い入り口を押し広げながら中へと入り込む。
ゴム越しでも温かくて、内壁の押し返そうとする感触がする。一度入れるギリギリのとこまで押し入れ、深く息を吐いた。

優しくとか気持ち良くしてあげるとか、そんなこといちいち考えられなかった。
一度イったために、既に中はしっとりと濡れていて摩擦に抵抗はない。高まる興奮を押さえられず、ただガムシャラに彼女の中を犯した。

「はっ、は、みなこ、ちゃ、っ」
「あ、アッ、きゃ、あ――っ」

ゴツゴツと奥を突く度、脳天にチカチカと衝撃が走る。ゾクゾクと首が、背中があわ立つ。手足が熱い。喉がカラカラする。身体中でみなこちゃんを感じて、そしてきっと、彼女も。

「じゅ、ンッ、ぺ、くん、…キス」
「は、ん?」
「キス、して、おねが…っ」

なんなの、この子。これ以上早くなりようがない鼓動が更に暴れだす。すがるように伸ばされた手を取って、請われるままに唇を合わせる。
触れてるところ全てが熱を持ち、頭の中は真っ白で、ああもう、我慢なんてしてられない。

「も、イク…!!」
「ん、や、まっ…」

何かが弾け飛ぶ感じがして、ただもう無我夢中で俺は彼女の中に精子を吐き出した。
…ゴム、しててよかった。





「身体、辛くなかった?」
「ん、だいじょぶ、」

裸のままベッドの上で引っ付きながら問えば、みなこは照れながらそう答えた。
なんか、ちょっと無理してる?
やっぱり辛かったのかな、てか最後全然気遣ってあげられなかったし、怒ってたり、してないかな。

「本当、平気。…旬平くんとひとつになれて、嬉しいの」

ぎゅ、と抱きついてくる彼女は本当に可愛い。ああ、もう。やめてよねまた元気になっちゃうじゃん。

「…ねえ、みなこちゃん」
「………ん」
「もう一回…って、あれ」

裸のまま可愛いことを言って抱きついてくる彼女に、欲情しない男なんていない。しかもさっき致したばっかだし、興奮は今だ覚めやらず。
となれば取る行動はただひとつ、なんだけど、みなこちゃんの反応は薄い。てか、なんかうつらうつらしてない?

「眠い?」
「ん、だいじょーぶ、なあに?」
「いや、瞼開いてないじゃん。…寝て、いいよ」

やっぱり辛かったのか、今にも意識を手放しそうなほど眠たげにしている彼女を前にしたら、さすがにもう一回、なんて言葉は言えなくて。

「おやすみ」
「ん、おやすみー…」

そのまま眠りについた彼女を見つめながら、ため息をひとつ。
いや、まだまだこれからもチャンスはあるんだから今は我慢だ。晴れて恋人同士になったんだし、今までみたいにがっつく必要もない。
いや、今までだってがっついてなんかないけども!

「取り敢えず布団掛けて…」

裸なんだし、肩とか出したまま寝たら風邪引いちゃうね。抱きつかれたままの体勢を極力動かさないように、ゆっくりと体を起こして布団を掛ける。と、彼女の胸や首回りに残る赤い痕が目についた。
やべ、つけすぎたかな、なかなか服に隠れなさそうなところにまで痕がついている。

「…?」

焦りつつ、でもどこか嬉しい気持ちのまま彼女に残る自分の印を眺めていたら、耳の斜め後ろについた痕が目に入った。
小さいけどしっかりとキスマークだとわかるその痕は、かろうじて彼女のボブヘアで隠れるくらいの位置にある。

「こんなとこ、つけたっけ?」

身に覚えがなかったが、正直最中は必死すぎてよく覚えてない。あちこちにつけたような気もする。
まあ、ここならみなこちゃんも気がつかないし、首元を覗き込まないと見えないから大丈夫っしょ。

「…俺も寝よ」

安らかに眠る寝顔を見つめる。
隣で眠ればきっと同じ幸せな夢が見られるだろう。
重たくなる瞼を閉じ、柔らかな寝息を感じながら眠りについた。




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