ロリーポップ



今日は祝日。
この間コウくんと約束したとおり、私は彼の家にやって来た。彼好みにコーディネートした少し露出の高い服にオレンジ色の髪飾りをつけて現れた私を見て、しぶしぶ戸を開けたコウくんは目線を逸らしながらボソボソと褒めてくれた。

中に入るとすぐに茶でも飲むか、と言われたので頂く。喉、渇いてたんだよね。座れと誘われてカウンターにつき、他愛もない話をする。緊張しているのか、コウくんは常にそわそわして落ち着きがない。

「…ね、部屋、いこ?」

カウンターに肘を付いて可愛く首を傾げると、ぐ、と彼の眉間に力が入った。

不満そうに顔を歪めて早10分。
先日と同じようにソファーベッドに腰掛けたコウくんは、顔を突き合わせてからずっと眉間に皺を寄せたまま押し黙っていた。
…もしかして、怖い顔をして誤魔化しているのかな。コウくんでもにやけそうになったりするの?それとも、やっぱり私にされることに対して嫌だとか思っているのかも。

「ね、やめよっか?」
「………は、あ?」
「だって、怖い顔。私に触られるの、イヤ?」
「…これは、もともとだ」

ぷい、とそっぽを向くコウくん。可愛いな。見えてないかもしれないけど、安心したようにふわりと笑ってみせてから彼の膝の間にしゃがんだ。暫く触らずにじっと見つめていると、心なしかソコが膨らんできたような気がする。

「まだ触ってないよ」
「…っ」

ふう、と強く息を吹きかける。たったそれだけでコウくんの肩がびくりと揺れた。服の上からなのに、見てるだけなのに。興奮してるの?これから、私に触られるって想像しただけで大きくなっちゃうの?

「コーくん」
「…早く、しろよ」
「じゃあ脱いで?」

顔をしかめたまま私を見つめ、そろそろとズボンのベルトに手をのばす。金具を外し、ボタンも外してファスナーを下ろした。あ、ボクサーパンツだ。

「下着も、全部脱いでね」

一瞬躊躇ったのちに下着に手をかけ、ズボンと一緒に一気に脱ぐコウくん。
もう自棄になってるみたい。脱ぎ捨てたズボンは足で隅に追いやり、再びベッドに浅く腰かける。

「ホラ、」
「ん。ふふ、久しぶりだね」
「…っ」
「あれから、自分でした?」

姿を現したペニスを人差し指で軽くなぞる。輪郭を確かめるようにゆっくりと触れていく。温かい。ふるふるしてて、なんだか可愛い。普段人目に晒されることは決してないコウくんの急所に触れてる。文字通り彼の弱味を握っている事実にぞく、とした。

先日と同じように手だけで扱くが、流石に物足りないみたい。切なそうに見詰められ、きゅんと胸がときめく。コウくんのこんな顔を知っているのは、私だけだ。

「みなこ、頼む…っ」
「なあに?どうして欲しいの?」
「くち、で」

するりとコウくんの大きな手が私の頬を撫でる。もう、触っちゃダメって言ってるのに。やんわりとその手を退かし、一度ペニスから手を離す。傍に置いてあったかばんを引き寄せて、中から大きめのビンを取り出した。

「…なんだ、ソレ」
「これ?蜂蜜、だよ」

ラベルが見えるようにコウくんに見せる。綺麗な琥珀色の液体が詰まったそのビンの蓋を開けると、噎せ返るような甘い匂いが溢れ出した。

「まさかとは、思うが…」
「察しのいい子は好きだよ、コウくん」
「っ、茶化すな。ぜってぇやんねえぞ」
「えー。だって、精液って苦いんでしょ?口でして欲しいならなおさら、ね?」
「……オマエ、あんまりそういうこと言うな」
「え、今更?」

こんなことされといてまだ私に夢を抱けるの?ある意味尊敬するよ。
嫌そうに顔をゆがめるコウくんを無視して蜂蜜を掬う。ドロドロと指を滑る液体を、コウくんのペニスの先端に垂らした。

「ぁ、…っ」
「冷たい?すぐ慣れるよ」
「く、っ、」
「どろどろ、気持ちいいんでしょ」

滑り落ちる蜂蜜を塗りこむように手で握って扱く。袋や肛門の方まで流れるのがくすぐったいのか、だんだんとコウくんの目が潤んできた。我慢できないのか、さっきよりも足を開き、腰を浮かせて私を誘う。もう一度蜂蜜を掬って塗りたくり、ガチガチに反り勃ったソレにキスをした。

「っ!」

そのまま口の中に含んでいく。とろとろの蜂蜜を舐め取るように舌を動かし、先を尖らせてコウくん自身を刺激する。

「甘い…」
「も…イ、」
「もう?まだ全然してないよ」

袋を両手で揉み解し、先を思いっきり吸う。コウくんは我慢しているみたいだけど、今にもイってしまいそうなほどペニスは張詰めている。…コウくんって、もしかして早漏?意外。もっと持久力あると思ってたのに。

「…っ、ぅ」
「もっと声、聞きたいな」
「ば、んなみっともねえこと、できっか…っ」
「言ってよ。喘いで」
「…!!」

ぎゅ、と強く握り、先端を指でぐりぐりと穿る。もう片方の手で根元の方を締め付けて、達しそうになるのを諌めた。手を出しそうになるのを堪えているのか、シーツを掴むコウくんの指先が白くなっている。ちゃんと言うこと聞いてるなんて、本当に可愛いね。

「ぁ、くそ…っ」
「強情だよね。…こっち弄ったら、喘いじゃう?」

ペニスをたどり、指先をお尻の方へと滑らす。きゅうと力が篭っている肛門の周りを指の腹で押し込むと、コウくんの顔が青ざめた。

「バカ、やめ、ろっ…ン、」

蜂蜜で濡れたそこに少しずつ指を進めていく。第一関節まで入れたところで少しだけ指を曲げてみると、急に腕の力が抜けたようにコウくんはベッドに倒れ込んだ。

「こっち、いいの?」
「ハッ…っ、んな、わけ…ぅあっ」

かり、とペニスに軽く歯を立てる。頑張って我慢してるコウくんも可愛いけど、イっちゃったとこも見たい。握っていた手を緩めて再び口に含み、自分の唾液も絡ませてじゅぶじゅぶと音を立てながら扱くと、勢いよく精液が飛び出してきた。

「あ、はっ、ア―――っ!」
「んっ…うぇ、」

口の中がどろどろする。蜂蜜のおかげで思ってたよりは酷くなかったけど、やっぱりきつい。ベッドに仰向けに倒れたまま、肩で息をするコウくんを覗き込んでキスをすると、小さくあめぇ、と呟いた。


もし、コウくんがあのときの話を私に持ち掛けなかったら、忘れてあげるつもりでいた。一瞬の気の迷いだったって、夢だったんだって思い込んでいつもどおりにするのであれば、無かったことにしてあげたのに。それなのに、コウくんはわざわざ問い詰めにきた。
もう、逃がしてあげない。

「来週の日曜日、うち、誰もいないの。…来る?」

自分でも分かる。私は今、とてももの欲しそうな顔をしているだろう。
ごくりと唾を飲み込んだコウくんの喉が、肯定を表していた。




101103

xxx

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