むすんでひらいて 1 大学のキャンパスを君と歩く。 ふわふわと可愛らしい笑顔で懐く君は、僕の心を暖かくしてくれる。堂々と手を繋ぐのはまだ恥ずかしいのか、君は僕の服の袖をさりげなく掴む。僕はその方が恥ずかしく感じるんだけど、やっぱり嬉しくて指摘できなかった。 自由選択で同じ講義を取って同じ講堂で並んで受けるなんて、高校では絶対に出来ないことが大学では簡単なことだった。 周りの友達には優等生バカップルだなんて冷やかされているが、自分でもその通りだと思っているので特に反論は出来ない。これも高校では出来なかったことだ。 君が高校を卒業して、同じ一流大学に来てくれたことが本当に嬉しかった。告白をして両思いになっても、やはり学校が違うと不安になる。 だけど君は迷わず一流を選び、そして合格した。 そうして今、僕の傍にいてくれる。 「玉緒先輩!お待たせしちゃって、ごめんなさい」 「いや、大丈夫だよ。何か飲む?」 校内にあるカフェテラスで本を読みながら愛しい彼女を待つ。 今日は同じ授業ではなかったけど、帰りの時間が合う日はいつも一緒に帰っていた。彼女が取っている講義はいつも十分以上長引くので、待ち合わせ場所はいつもここだった。 コーヒーに手を伸ばしたとき、ぱたぱたと走ってやってきた君を見つけた。大きな鞄を肩からかけて、フリルワンピの短いスカートを靡かせる。すれ違う生徒が彼女を振り返って行くけど、まったく気に留めないで一直線に僕の元へやってきてくれる優越感がたまらない。 急いできたせいで息が上がっている。飲み物を頼んだ方がいいだろう。 「あ、じゃあ…」 「待った。僕が買ってくるから座ってて。アイスティーでよかったよね?」 そのままきびすを返してカウンターへ行こうとするのを引き止める。自分で買わすなんて無粋なこと出来るわけがない。 「でも」と渋る彼女の肩を押して席に座らせて微笑むと、ほんのりと頬を赤らめて従ってくれた。 彼女の笑顔も僕への対応も、付き合ってから変わることはなかった。 それってつまり、高校の時から僕のことを好きでいてくれたってことで。気がついた途端、胸が締め付けられたように苦しくなった。 スキンシップが激しいから普段からそうなんだと、誰に対しても変わらないのだと思っていただけに物凄く嬉しかったが、気付けなかったのが悔しかった。 喉を潤してからカフェを出て並んで歩く。 大学から家の方までの道のりに森林公園があるので、よく寄り道して帰った。今日も公園の中を散歩して行く。 大学を出ると急に手を握ってくる彼女は、大胆なんだか恥ずかしがり屋なんだか。たぶん学校内で冷やかされるのがイヤなのだろうけど、外でもあまり変わらないと思う。 「みなこさんは手を繋ぐの好きだね」 「え、そうですか?」 「うん。学校ではちっとも繋いでくれないけど」 少しだけ意地悪と言うと、あわてて言葉を捜す様が可愛い。だって恥ずかしいんだもん、と尻すぼみになる彼女の頭を撫でてやると、顔を真っ赤にして俯いた。 なんだろう、むずむずする。 彼女は本当に素直で苛め甲斐がある。 付き合いだすまでは僕の方が彼女の言動に翻弄されていたのに、今ではすっかり逆転してしまっているのが楽しい。…もちろん、彼女の場合は天然なので、いまだにやれることもあるけど。 「私…玉緒先輩の大きな手が、大好きなんです」 「……っ」 ぎゅ、と少しだけ力を込めて握られる手。 ほら。すぐそういうこと言う。 君はここがどこだか分かっているの? 日が落ちかけた公園内の並木道なんて、人通りはあまりない。 ああもう本当このまま攫って行ってしまいたい。 抱き上げて少し道を外れれば、簡単に人なんて入ってこなくなるのに。 …行ってもいいか、彼女はもう僕のなんだし。 「みなこさん」 「はい?…ん」 名前を呼ばれて顔を上げた彼女に口付けをする。 突然で驚いたみたいだったけど、すぐに眼を閉じて答えてくれた。柔らかな唇の感触を楽しむ。食むように唇を動かすと、少しだけ唇を突き出す。それを一度だけ歯で噛んでからゆっくりと舌を差し込んだ。 それには流石にビックリしたのか逃げるように顔を反らそうとするのを、繋いでいない手でそっと頭を押さえて動かせなくする。簡単に口内に侵入できた舌は、彼女の小さな舌を絡め取るのに夢中だった。 「んっ、ん、む、」 「…ぁん、っ」 お互いの吐息と声に興奮する。 小さな彼女の口の中ではぬるぬると擦り合わせるくらいしか出来ないが、それがまたもどかしくて癖になる。 そろそろやめないと誰か来てしまうかもしれない。公共の場でいけないことをしている緊張感に興奮するけれど、彼女のこんな顔を他の誰にも見せたくない。 名残惜しいが、移動してからもう一度すればいい。 彼女が苦しそうに眉を寄せたタイミングを見計らって唇を離した。 すっかり蕩けてしまった彼女の目が、やけに色っぽく感じる。 家まで我慢なんて、出来そうにない。 「は、たまお、せんぱい…?」 舌ったらずに僕の名を呼ぶ。 ああ、もうダメだ。 「みなこさん」 「はい…?」 「ごめん」 短く謝ってから繋いでいた彼女の手を離す。突然のことに不安になったのか、解いた手をもう一度掴もうとすがる手を逆に取り、屈んで首に回させて膝裏を抱え上げた。 所謂、お姫様抱っこをする。 非力な僕でも軽々と持ち上げられてしまう彼女は身体を固くさせていたけど、すぐに足をばたつかせて抵抗して見せた。 まあ、ちっとも障害になっていないのだけど。 「やっ、先輩降ろしてください!」 「大人しくしてくれたらすぐに降ろすよ」 「どこに、行くんですか…!」 「そうだな、人がいないとこにでも行こうか」 「!!」 驚きすぎて二の句が告げなくなってしまった彼女に笑顔を向けて、ガサガサと芝生を歩き木々が繁る方へと進んで行く。 丁度良さげな場所を見つけると、取り合えず降ろしてあげた。地面に足をつけた彼女は、僕の腕を掴んだまま上目使いに睨んでくる。 当然怖くもないし、むしろやる気に火がついたと言うか。分かってないんだろうな、絶対。 額にキスを落として優しく抱き締めると、観念したのか彼女も抱き返してきた。 「…したくなった?」 「せ、先輩のせいですから…!」 「へえ、僕が悪いの?それなら責任を取らないといけないな」 背中に回していた手をずらしてウエストのラインを撫でてゆく。そのままなだらかなお尻を揉むように手のひらを動かしてゆくと、彼女の腰が悩ましげに揺れた。 相変わらず敏感で可愛い。 着ているワンピースも可愛いけど、スカート部分にフリルがふんだんに使われてて触るには邪魔だった。 もぞもぞとスカートをたくして腰まで捲り上げると、背中越しに可愛らしい下着が見えた。 ここまで来たら当然止める気なんて起こらない。まあ、初めから止める気なんてなかったけども。 彼女も大人しく従ってくれているので、遠慮なく触り始めた。 下着の上からお尻の割れ目に指を這わして、手のひらは双丘にぴったりとつける。左右に引っ張りながら肛門付近を弄っていたら、下着がフンドシのようにどんどん食い込んでいった。 「あ、やだっ…はずかし、」 「痛い?」 「…痛くは、ないですけどっ」 涙目になりながら僕の胸にすがっている彼女は、まだまだ羞恥心の方が強い。 覆うものがなくなった白いお尻はスベスベで気持ちよく、頬擦りしたくなるほどだった。 100915 next→ sss |