無垢な乙女に制裁を・完敗 2



カーペットにしゃがみこんでいる彼女の腕をとって無理矢理立たせる。そのまま引っ張って寝室まで連れて行こうとすると、足を縺れさせながら抗議された。

「先輩、危ないです…!」
「うるさい」

ドアを開けて中に入り、ベッドにうつ伏せになるようにみなこを放り投げる。
スプリングが弾んでもたついている間に起き上がれないよう覆い被さって、背中にキスを落とした。

「ひっ…せんぱい、やっ」

唇で食むように背中に触れてゆく。滑らかな背中を覆う薄くて柔らかい産毛を逆立てるように舐め上げる。雰囲気に酔っているせいか、甘い味がした気がした。
ぽつんとあるニキビを舌でなぶる。すると彼女は喉を反らせて悲鳴をあげた。

「いたっ…あ、んっ」
「潰れそうだな…どうする?潰しとくか?」
「や、先輩やめて…っ」

押し潰すように舌で弄ったあと、背中から身体を離す。肩に力を入れたままベッドの上で縮こまっていた彼女の緊張が解かれるまで待つと、今度は転がして仰向けにさせた。
唇にキスを落とすと、大人しく受け入れられる。
羞恥心や抵抗が強いが、こいつは基本的に快楽に弱い。すでに瞳は蕩けていて、涙に潤んでいる。流されやすいため事に運ぶのは簡単だが、本当に嫌がっていないのだろうか。

「ん…む、」
「……おまえ、いつもこうなのか?」
「…?」
「俺とこういうことするの、嫌とかないのか」

何を卑屈になっているのだろう。だが、前々から聞いてみたいとも思っていた。
まさか誰にでも股を開くアバズレだとは思っていないが、こいつはムカつくくらいモテる。こうやって無理矢理組み敷かれたら、そのまま流されてしまうのではないか。やりそうな奴に心当たりがありすぎて不安だ。

「聖司先輩…?」
「…悪い。忘れろ」
「私…や、じゃ、ないです」

バツが悪くなって顔を逸らすと、上半身を起こしたみなこが首に抱きついてきた。ずり落ちそうになる前に背中を支えてやる。
指先に、なぶったニキビが当たった。

「先輩にされるの、やじゃないです」
「………で?」
「え?えっと、せ、先輩としか、しないです…」
「…それから?」
「そっそれから?!」

引っくり返った声をあげて、言葉を探している様はなんだか可愛らしい。思わず口許が緩んでしまったが、抱きついているおかげで見られてないのだから問題ない。
くりくりと指先でニキビを弄ると、首に回った腕に力が入った。

「いァっ、あの、」
「俺としかしないことってなんだ?」
「う、こ、こういうこと…」
「こういうこと?例えば?」

分かっていて質問をぶつけてやる。案の定彼女は泣きそうな情けない声をあげながら、いやいやと首を振った。だが、俺だって日頃ヤキモキさせられていたんだ。この程度ではまだ許せないな。

「き、キス、とか」
「とか?他は?」
「んっ、え、…えっ…ち、とかっ」
「…ふん、まあまあだな」

絡み付いていた腕をほどかせる。
顔を真っ赤にして目を潤ませていた彼女をベッドに縫い付けて、深くキスをしてやる。初めは拗ねていだが、すぐに従順になっていく。
唇を離して口を開かせる。指を差し入れると躊躇いなく舌を絡ませる。ちゅう、と指先を吸い、見上げる。やれと教えたことはすべて行う、なんて愛しい恋人だろうか。

邪魔なドレスを剥ぎ取り、ベッドの脇へ落とした。同じように自分のシャツを脱ぎ捨てる。
みなこの胸は重力で潰れながらも、乳首はツンと上を向いて俺を誘惑していた。
むにゅむにゅと形が変わるほどに揉み、指の腹で先を潰す。引っ張ったり引っ掻いたりすると、身体が大袈裟に跳ねた。

「あっ…ひんっ」

甘い悲鳴をあげながらも、腰が浮いている。もどかしそうに内股を擦り合わせていたが、無視して乳首に食いつく。
少し強めに吸うと、手の甲を唇にあてて声を押さえようとしていた。

「こら、声を我慢するなと言ってるだろ」
「だっ、て…ぅあっ!」

グリグリと親指と人差し指でつまみ、擦ってやる。刺激が強すぎたのか、喉を反らせた。細い首筋に舌を這わせ、吸い付いて跡を付けていく。白い肌に赤い痣はとてもよく映えた。

「せいじ、せんぱい…」

ねだるような甘い声。
くそ、なんだそれずるいだろ。
俺が必死に我慢しているって言うのに、今すぐにでも突き入れてかき回したいのに、それじゃあお仕置きにならないじゃないか。
一旦体を離して息を整える。その間にも物欲しそうな顔をしている彼女は、本当に人の理性を崩すのがうまい。
顔を背け、未だ満たされない疼きを我慢し続ける少女。ああ、もう限界だ。

最後に残った下着を下ろし、抜き取る。弄ってもいないそこはすでにぐっしょりと濡れており、すぐに入れても大丈夫そうだった。
自身もズボンと下着を脱ぎ捨てて、反り立ったものに手をそえて円滑液代わりに彼女の愛液を擦り付けた。

「んっ…」
「入れるぞ」
「は、いっ」

ぐり、と先を差し込み少しずつ入り込んでいく。すると待ちかねていたように膣内が蠢き、中に引っ張り込まれるようにしてあっという間に根元まで収まった。

「な…?!」
「くっ…おまえ、引きずり込んだだろ」
「そんなこと、してな…あっまだ、動いちゃ、」

仕返しとばかりに腰を振り、抜き差しを始める。どちらのものとも分からない体液がぐちゅぐちゅと混ぜ返される音と、奥を突く際にぶつかる肌の音。だらしなく喘ぐ少女の声。他人の性器と擦れあって起きる快感に身を委ねる。
収縮を始めた内壁に、彼女の限界が近いことを悟る。

「あっ、あ、も…イ…っ!」
「ああ、イけ…っ」
「せいじせんぱ、あっああっ―――」

一際強く最奥を突くと、甲高い悲鳴を上げながら彼女が果てるのを感じ、少し遅れて自身も達した。




「せっせんぱいのばかあ!」

セックスのあと、ベッドで微睡んでいたところに聞こえた彼女の悲痛な悲鳴。
何事かと寝ぼけ眼で首をもたげると、シーツを身体に巻き付けたまま扉の前で佇むみなこの姿があった。

「…そんなとこで、なにやってるんだ」
「な、なにって、服着ようかとドレッサールームに…、じゃ、なくて!」
「じゃあなんだ」
「これ!これです!…き、きすまーく…!」

真っ赤な顔を更に赤くしながら指を指したのは、首回りに点々とついている赤い痣。
ああ、確かにキスマークだ。

「それがどうした」
「どっ…どうしたも、こうしたも、ないですっ!こんなに、つけるなんてっ」

恥ずかしいやら怒りやらで混乱しているのだろう、喉に引っ掛かるようにしか言葉が出ていない彼女は、今にも酸欠で倒れそうだ。

「こんな、ドレスなんて着れないじゃないですか…っ」
「…ああ、確かに」

そう言えば、俺が選んだドレスはどれもこれも首や肩、背中が出るものばかりだ。
オペラを見に行くのは週末。どう考えても全てが消えるまでの時間はない。
これはまた選び直すか、開き直るしかないだろう。

「…ストールで隠せばいいんじゃないか」
「あっ、今面倒だって思いましたね!酷い…先輩がつけたのに、」

感情に限界が来たのか、ボロッと涙が零れ落ちる。少々虐め過ぎたか。
手招きをしてベッドに上げる。素直に近づいた彼女を抱き締めてあやすと、少しずつ落ち着いてきた。

「もう、フォーマルドレスでいいです…」
「あれか。…参観日の母親みたいだよな」
「〜〜〜!」

せっかく宥めたのにまた怒らせてしまったらしい。面倒臭いと思う傍ら、こんな面倒臭さもたまにはいいかと思ってしまう俺は、すっかり彼女に降伏してしまっていた。




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