昼下がりの情事 1



コウくんの部屋で音楽を聞きながら、ソファでまったり。
最近の私の楽しみであるそれは、心地よくて大好きな時間だった。
ソファにもたれ掛かっているコウくんの足の間に入って、私は体操座りでコウくんにもたれる。部屋にあったバイク雑誌を読みながら、時々言葉を交わす。バイクには詳しくないけど、雑誌にはツーリングスポットの写真も載っていて、見てるだけでも楽しかった。
今日は暖かくて、でも窓から入り込む風が気持ちいい。うとうとしていたら、ずるりと体が落ちそうになった。

「ふにゃ、」
「ば、大丈夫かオマエ」
「うー、だいじょぶ…」

だめだ、頭がふわふわしてる。
コウくんが支えてくれたから落ちずに済んだけど、のどかすぎて眠い…。

「オイ、寝んな。まず体起こせ」

ずり落ちたままの態勢でいたため、背中が痛い。
言われるままに体を起こそうと背を浮かせると、完全にスカートが捲れ上がっているのが視界に飛び込んできた。

「きゃああああっ!!」
「っ耳元で叫ぶな、バカ」
「だ、や、み、見ないで…!」
「あ?今まで何度も見てんだろ」
「な、なにいっ、て、ばかあ!!」

信じらんない。
そんなことサラッと言わないで欲しい。
確かに、コウくんと私はそういうこと、しちゃう仲だけど。三ヶ月前に初めて致しちゃってから、何度かそういうこと、したけど!
まだまだ恥ずかしくて仕方がないんだから、もうちょっと察してくれてもいいと思う!
それにまだこんな明るい時間に、何言ってるのこの人。
なんて、言ってやりたいことは山ほどあるのに、出た言葉は「ばか」のたった二文字。混乱しすぎだよ、私。

「しっかし、色気ねえな」
「あ、やぁっ」

ぬっと伸びてきた腕が太股を撫でる。するすると這わせながら降りてきて下着をつつく。それから目的もなくさ迷わせると、下着を下ろそうと縁に手をかけた。

「ななななにやってる、の!」
「なにって、ナニやろうかと」

ば、ば、ば、!
びっくりしすぎて言葉にもならない。慌てて手を掴んで引き剥がそうとしたら、下着ごとみょーん、と伸びた。あまりに間抜けすぎる様子に泣きそうになる。
色気ないって言ったくせに、しっかりちゃっかりこの人は!

「は、離してー!」
「アア?オマエが手を離せばいいだろが」

くつくつと笑うコウくん。
確かにその通りなんだけどでも離したら離したでそのまま脱がされそうで怖い。
ああ、早くどうにかしないとゴムが伸びちゃう。離すか離さまいか迷っていたら、ぱちん、とゴムがお腹に戻ってきた。痛い。
もう、離してくれるなら早くそうしてくれればいいのに!
とにかく早くスカートを直そうと体を起こすと、今度はがばっと後ろから胸を掴まれた。

「や、なんで…っ」

起きやすく支えてくれてるなんてレベルじゃない。しっかりと揉み込みながら、ねっとりと耳を舐められた。

「んあっ、こう、く…」
「テメエのせいだぞ、んな短いスカート履きやがって」
「や、いたい…っ」

ぐりぐりと力任せに服の上から胸の先を押し潰される。下着が擦れて痛いけど、その中にピリッとした緊張が走った。
まだ明るいのに、こないだしたばっかなのに、今日はゆっくりするつもりだったのに。
ぐるぐると考えが巡っていくけど、頭はだんだん胸に与えられる刺激に引き込まれていく。
だけど布越しだと直接的な快感は得られなくて、もどかしい。やめて欲しいのにちゃんとさわって欲しいとも思ってるなんて、私はもうおかしいのかもしれない。

「あ、…はあ、…っ」
「なんだ、もう大人しくなったのかよ」

無理やり体を捻らされてキスをする。ぬるりと舌が侵入してきて、歯茎をなぞっていく。くすぐったいけど気持ちよくて、そっと歯を上げると口の中いっぱいにコウくんの舌が入った。
上顎を舐める舌を、自分の舌でなぞるとくるりと絡め取られる。
擦り合わせたり押し返したりしているうちに、だんだん息苦しくなってきた。

「むう、んー!!」
「はっ…だから鼻で息しろって」
「はあっはあっ、っあう」

かり、と顎を噛まれる。
コウくんは噛むのが好きだ。あちこち噛むせいで、何度も体に痕がついてしまう。これはキスマークよりも余程恥ずかしい。だって虫刺され、だなんて誤魔化すことすらできないんだもの。
あぐあぐと数回噛んだ後、服の裾を掴んだかと思ったら勢いよく脱がされた。

「!!」

一瞬過ぎてガードする隙もない。脱がせた服を床に落とすと、ブラも取り上げられる。慌てて取り返そうとしたら、遠くに投げられてしまった。
明るい部屋で上半身裸とか、あり得ない。
それなのにコウくんは手首を掴んで動けなくすると、まじまじと胸を眺めた。

「お、前よりでかくなったか?」
「こっコウくんが胸ばっかりさわるから腫れちゃったんだよ!」
「…ぶっ!」

こらそこ、笑ってる場合じゃないよ。

「はっ…おま、腫れたって…ねえだろ、」
「〜〜〜っもう、何でもいいから離して…」

隠しようがないこの状態じゃ、何を言っても意味がない。コウくんは一頻り笑うと、胸に顔を寄せてそのままパクリと先に食いついた。だから、急なんだってば!
まったく心の準備ができてなかったせいで、思いっきり背中が仰け反った。
欲しいと思っていた生の感覚をダイレクトに受ける。キュッとお腹に力が入ってしまった。

「あんっ…ん、あ、はっ」
「腫れちまったなら、萎ませなきゃなあ」

先を犬歯で噛んだまま喋るから、細かな振動が伝わって余計に感じてしまう。
歯でかりかりと数回噛んだ後、舌を絡めてから強く吸われた。本当に吸い出そうとしてるみたいでぞわぞわしちゃう。もう片方の胸も掴まれて、大きな手のひらで捏ね回される。自由になった手で思わずコウくんの頭にしがみつくと、びくびくって体か震えた。
ううう…軽くだけど、胸だけでイってしまうようになるなんて信じらんない。




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