強盗のお嫁さん 2



とりあえずそこ座って、と言われるままにベッドに浅く腰を掛ける。
ルカくんはズボンのポケットからお財布や携帯を出すと、白い丸テーブルに無造作に置く。それから私の隣に座った。
ぎし、と鈍い音がする。

「はい」

大きく両手を開いて、ルカくんが私の方を向いた。はいって、はいって言われても、どうすればいいの?
よく分からなかったので、取り敢えずその手に触れてみた。するとルカくんはうーんと唸ってから、私の手を掴んで引き寄せた。そのまま優しく抱きすくめられる。

「え、え、ルカくん?!」
「こうしてれば、触りながらお話しできるでしょ?」

背中に回っていたルカくんの指が、私の髪をそっと梳く。指先が首筋に当たって、くすぐったさからぞくりとした。
確かに座りながらならどっちもできるかもだけど、二人っきりってのはすごく緊張しちゃうよ!

「ホラ、なんか聞いて?」
「な、な、な、なんかって」
「あ、俺ね、今度ココア味のホットケーキ食べたい。作って?」
「う、うん、わかった」
「それと、この間よさげなテレビを見つけたんだ。でも全然つかないの。何で?」
「え?…アンテナとか、必要なんじゃないかな」

ああそっか、なんてルカくんは笑ってる。くっつきながらでもルカくんは普段通りだから、なんだか私だけ緊張しているのも可笑しくなって私もいつものようにルカくんの肌に触れた。
暖かくってすべすべで、でも筋肉がついてて固い。
ルカくんはとても綺麗だけど、やっぱり男の人なんだなあ。二の腕に触れるとよく分かる。しっかりとついたこの筋肉は、私にはないもの。

「…俺も、触っていい?」

するとルカくんは私がしているように二の腕をそっと掴んだ。
撫でるように一、二回指を滑らす。

「みなこの、柔らかいね」

言うや否や、ふにふにと揉み込むように腕を握りだす。くすぐったいような感触に思わず身を引くと、また強く引っ張り込まれた。
たぷたぷと二の腕を揺らすルカくん。なんか、恥ずかしい。

「すごく気持ちいい」
「るかく、それ、やだ」
「なんで?」
「だってなんか、…太ってるみたい」

揺れる二の腕のお肉。
なんだか、もっとダイエットした方がいいのかなって考えちゃう。

「そんなことないのに。…じゃあ、こっちにする」

そう言ってルカくんが触れたのは、私の胸。
服の上から掬い上げるように胸を持ち上げて、手の中で小さく揺らした。

「あっやだ!ルカくんっ」
「ね、知ってる?二の腕の柔らかさって、胸と同じなんだって」
「し、しらないよっ」
「俺も。調べてみよっか」

突然くるりと体を後ろに向かせられたと思ったら、服の裾からルカくんの手が侵入してきた。
お腹を這うように指で滑らせて、胸まで上がっていく。ブラの縁に辿り着くと無理矢理ずらして直接触りだした。服の中で暴れまわるルカくんの手を止めようと腕を掴んでもびくともしない。身を捩っても、抱え込まれている状態では逃げ出す隙間がなかった。
やだ、やめて、まって。
何を言ってもルカくんは止まらない。

「あとは、そうそう。またヒムロッチに捕まっちゃった」

こんな状態でもルカくんは普通に話をする。
やわやわと動いていた指は、胸の先っぽを擦るように弄りだす。それをされた途端、ビクッと体が仰け反ってしまった。

「やぁっ、っ」
「俺たちとみなこが仲いいの、不思議がってた」

話しながら唇を首筋に寄せるから、とてもくすぐったい。と、思ったら今度は首筋を舐められて、ちゅう、ときつく吸われる。

「あ、あ、るかくん、も、やだ」
「え、やなの?」

抱っこされた状態で向き合うと、サンダルを脱がされた。完全にベッドに上がってしまうと、突然スカートの中に手を入れて下着の上からするりと撫でられた。
しびれるような感覚に、また体が跳ね上がる。今度は擦るように数回。
足を閉じても抱え上げられるとどうしようもなくて、しかも余計に動けなくなってしまった。

「やだ、やだやだっ」
「…みなこ、さっきからそればっかだね」

ルカくんの指が下着の中に入ってくる。途端にくちゅり、と粘着質な水音がした。

「もう濡れてるのに、やだ?」
「う、だって、ルカくんが!…や、入れちゃ…うぁっ」

ぬるぬると少しずつ指が入ってくる。内壁を擦るようにぐりっと押されると、それに合わせて私の体も反応してしまう。
ああもう、何が何だかわからない。
何だか息苦しくて浅く息を吐いていたら、ルカくんがちゅうと唇に吸い付いてきた。それからぱくりと食いつかれる。キスをしていると言うよりも、食べられているみたい。
口の中にルカくんの舌が入り込んできて、私の舌に絡み付く。くちゅくちゅと音が耳に響いて、恥ずかしくて気持ち良くてボーッとしてしまう。
いつの間にか下着は取り払われて、中に入っていく指は二本に増やされていた。更に親指がその上に隠れていた尖った部分をぐりぐりと押し潰す。

「んっ!んーーー!」
「ん…、はっ…あれ、みなこ、イった?」

ビクビクと体が痙攣したかと思ったら、頭が真っ白になった。それから体の力が抜けて、抱えられるまま身を預ける。
ルカくんは私の中から指を引き抜いてベッドに横たわらせると、自分も靴を脱いでベッドに上がった。
カチャカチャとベルトをはずす音がする。

「ま、まさか…いれちゃう、の?」
「うん、だめ?」

だだだだめって言われたらだめだけど、ルカくんは何だか苦しそう。でもやっぱり怖い。
戸惑っていると、ルカくんはズボンの前を緩めて、下着の中から反り返ったものを取り出した。
な、ながい…!
男の子のって、皆こんななの?これが、私の中に入っちゃうの?!
信じられなくてまじまじと眺めていたら、ルカくんがベッドマットの下から小さな包みを引っ張り出して封を開ける。中身を取り出して、反り返ったソレに被せた。
そんな一連の流れを見ていたら、何だか余計にドキドキしちゃう。

「みなこ…」
「う、や、優しく、して…ね?」

ものすごく色っぽい顔で言われるとなんだか拒める雰囲気でもなくて、なんとかそれだけ言うと、ルカくんが嬉しそうに覆い被さってきた。

「みなこ、大好き」

ちゅ、と一度触れるだけのキスをしてから、すぐに深く口付けられる。
キスに夢中になっていたら、ルカくんがゆっくりと私の中に入ってきた。
指とは比べ物にならない太さと長さに泣きそうになる。痛くて苦しくて何度も逃げ出したくなったけど、その度にルカくんが優しく頭を撫でてくれた。

「あ…全部、入った」
「ふ、ふっうう…ほんと…?」
「うん。見る?」
「む、むり…」

お腹がズキズキ痛んで、入ってるって分かるのに見ちゃったらもう私狂っちゃうかもしれない…。

「動くね」
「えっ?!あ、」

言うや否やルカくんがゆっくりと動き出した。
初めは抜き差ししていただけだったのが、だんだん変則的になっていく。ベッドがギシギシと悲鳴をあげるくらい激しい動きに、考えてる余裕なんてなくてただ揺さぶられるままに喘いでいた。

「はっ…みなこの、ナカ、…すっごくキモチイイ、よ」
「や、んっん…あ、はっあァ!」
「うわ、…食い千切られそ、」

口を閉じたいのにバカみたいに開きっぱなしでこんな声出して、私ってなんて恥ずかしい子なの…!
それでも気持ちいいのは止められなくて、一番奥を突かれた瞬間に私はまたイってしまった。




「…ん」

眩しさを感じて目を開けると、窓からすっかり上りきった太陽が光を差し込んでいた。
慌てて起き上がろうとするけど、全然動けない。お腹の辺りに感じる違和感と緩い拘束に後ろを見ると、ルカくんが寝息を立てていた。
そうだった。私昨日、ルカくんと…!
昨日のことを思い出してしまい、顔が真っ赤になってしまう。結局あのあとも求められるまま何度もイカされてしまったなんて、本当に私って押しに弱すぎる。
当然服は着てなくて、なんだか心許ない。とにかく服を着たくて腕をどかそうとしたけど、びくともしなかった。
顔を覗き込むと、ルカくんは幸せそうに眠っている。なんだか気が抜けてしまって、やっぱりまあいっか、って気持ちになってしまう。

結局この日は痺れを切らせたコウくんに叩き起こされるまで、ベッドで二人して微睡んでいた。




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