王族のくせに毎回顔をかしげられるほど容姿に恵まれなかった私。
それなのに亡き前王女の後釜とはいえ、一国の后に選ばれたのは不思議でしょうがなかった。けれど、雪のように美しい前王女の娘を見て納得。皆メロメロでこっちに構ってられないってわけ。分かります。
「どうしたのオヒメサマ」
「その呼び方もうやめてよ」
覗きこまれた瞳は本来の鏡の役目を果たすように澄んでいた。
「もう王女よ。あの可愛い子がお姫様」
「確かに可愛いね」
鏡は嘘をつけない性質なんだ。いつかそう教えてもらったけれど、いつも自由な真波を見ているとそれは鏡としての性質じゃなくて、本来の性格なんじゃないかと思えてくる。
「でも俺は……オネーサンの方が可愛いと思うよ」
「……」
いつの間に人を気遣えるようになったのか。思わず苦笑いがこぼれた
/そんな嘘、つかせてごめんね
真波くんと白雪姫の継母妄想が予想以上に楽しくて、嘘をつけない真波くんに前持ち主が苛立って打ち捨てた鏡を継母(になる前)が拾って(そんな汚いものをと凄く止められた)、治したり、娘が王様バックに「おかあさま、私鏡が欲しいの。魔法の鏡が」とか言って真波くんのブリザードが吹きあられたりしたら良い。昼ドラ楽しい。
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