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俺は少し変わった能力を持った人間のようだった。未来が見えた、といった方が良いのか。何となく、見えたことを口に出すとその通りになったりした。なんて浅はかな子供だったのだろう。

それを誰にも言わない方が良いと判断した時にはもう遅かった。不用意にそんなことをしたせいで、家に白衣を着たよく分からない人が来て、俺のことを研究したいなどと言ってきた。何回も何回も。その度に母さんが断って俺を守って、ああ、そのせいで。そのせいで。母さんは×された。赤い母さんの前に座り込んでる俺に手を伸ばしてくる人のことなんてどうでも良かった。こんな未来見えなかったのに。どうして。そしてその手が俺に届く前に、

「なんだ、先客か」

ごとり、鈍い音がしてその手が身体ごと崩れ落ちた。その向こう側に小柄な人影が見えて、ようやく俺は反応することができた。二回目の、見えなかった未来だった。

「泥棒はこっそりやるに限るってーのに」

俺より少し歳上に見えるだけのそいつはそう言って、ようやく向こう側の俺に気付いたようだった。
きょとんとした顔がこの赤い部屋では、異質にしか見えなかった。少し周りを見回して、状況を把握したらしいそいつは俺に近付いてしゃがみ込むとこう言った。

「殺してやろうか?」

ついさっきまで、どうでも良かった。悲惨な未来が見えたけど、逃げる気も起きなかった。
真っ直ぐ見てくる瞳を見て、無言で首を振ると、そいつは血だらけのナイフを拭き取ってしまった。

「言っとくが、死んだ方がマシだぞ」

あと今日稼がないと俺が死ぬから、泥棒はしていく。そんな容赦のないことを言って、ちゃっかり金品を取っていった。将来思い返した時に気付くが、たったあれだけじゃ、予定の半分も稼げてないんじゃないだろうか。

「まあそうだな。運が悪かった。恨むと良い。憎め」

その方がずっと生きやすい。
俺のこと、逆恨みしてもいいぜ。

そんなことを言うそいつに、奪われた。
真っ赤な血だまりに、白い肌が映えて、とてつもなく綺麗だった。








通名:××
本名:なまえ
泥棒兼殺し専門。力業は苦手で手数は多い。トリッキー。頭は悪くなく、完全なスラム育ちではない。元はそれなりの家育ちであり、家族は全員死亡済み。住んでいた家にたまに出入りしてる。経営していた店など当時所有していた建物(すでに廃墟のところが多数。全体的に未だ頑丈で造りは良い)の鍵を所有しており、逃げ道に使っている。......


プロファイリングされた分厚い書類。留めていた隠し撮りされた角度の写真をゆっくりなぞった。
そろそろ起きる頃だろうか。そんな未来が見えた。ああ、まるで初恋のように胸がドキドキして止まらない。
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