2022/03/06(Sun)

まとめとして挿絵を描きたかったのですが、今回のイラストはこれでご勘弁を…
商社OL時代のヒロインはよくある?事務員さんの制服姿って感じです。高専では出張時は黒スーツですが、それ以外の時は基本的には明るい色味のオフィスカジュアル。
彼女の服装についてはツイログで時々触れているので、よかったらご覧ください。
「涙霞に逃避行」とか「恋をしている自分は無敵ですので」あたりかな。

前置きが長くなりました。「カトレア」あとがきです!
今回もキーワードごとに。

◆全体の話
26話にわたりお付き合いいただき、ありがとうございました。
時期はヒロインの高専入職前の話です。簡単にまとめると、
2017年5月 営業一課→総務部に異動
   6月 呪詛師騒動、七海と食事
   9月 同期の墓参りで伊地知と会う
   10月 五条に電話
これらを経て、11月1日に高専入職決定という流れです。
ちなみに三章最終話にあたる53話の後半(七海・猪野・ヒロインの飲み会)は百鬼夜行から約半月後としていますが、だいたい2018年1月10日前後ですね。

◆タイトル「カトレア」
ヨルシカさんの曲名から拝借しております。
歌詞全体を指して「七海さんからヒロインに向けた心情」というイメージです。
七海さんはパン屋の女性の感謝の言葉をきっかけに出戻った瞬間から「呪術師として生きていく覚悟」は決めていると思います。
『札束で心が買えるなら本望だ』という歌詞は前職の自分を思い起こしているイメージもありますが、『傷一つない新しい心』『曇りのない新しいまなこ』は呪術師を辞めて非術師になろうとした自分が欲したものであると同時に、ヒロインを忘れようとした七海さんの姿にも重なったら良いな、と思っています。
『窓際の花瓶には君を挿しておくから/笑っておくれよ』についてはヒロイン=カトレアの花。七海さんはヒロインを忘れたいけど、笑っていてほしいと願っています。
『さよならの時間はわからないようにするから/笑っておくれよ』がいちばん好きですね。かつて離れた理由、再会した今離れようと動く理由は、安全な場所で幸せでいてほしいから。
呼応するようですが『そして僕の全部が消えて/夏影の間眠っても/君のいた世界をどこかで思っているから』もまさに、わたし的・七海さんがヒロインを思う気持ち…!です。
第三章全体としては、七海さんの恋愛感情はあまり重視せずに描写しました。七海さん的にはその自覚がないので。ただ、ひたすら人間として、ヒロインのことは大切です。
ヒロインはがっつり恋愛感情を自覚する章になったわけですが。

◆小野くんについて
功労賞を授与したいですね。
営業一課所属の営業マン、ヒロインの同期、七海さんの一つ年下。脳内CVは小野友樹さんでお送りしております。
ちなみに三章でのヒロインは23歳、小野くんは25歳です。(厳密に言うとヒロインは誕生日を迎える前なので22歳ですが)
小野くんはとにかく前向きで聡明な年上お兄さんキャラとして、ぐずぐずしているヒロインを引っ張り立たせてもらうために登場させました。
七海さんの前ではヒロインは気を張りっぱなしですが、その他の男性の前ではちゃんとしっかり者なんです。気安いし。好きな相手だからこそ本調子が出せないヒロインなので。
小野くんのほうも、ヒロインに多くのことを気付かせてもらって感謝している描写を入れましたが…わたしがそういう関係性がとても好きなので…!
お互いを高め合える関係、良いですよね。
こっちも恋愛感情はあまり意識していません。というか、本筋から逸れるので描写していない、というのが正しいかなぁ。

◆おわりに
第三章「カトレア」は、第二章でスタート地点に立った七海さんとヒロインが、お互いに引きずっていた気まずさを明らかにするというのが大テーマでした。
ヒロイン的には「嫁に行け事件」ですね。
思いのほかヒロインの掘り下げが中心になり、七海さん側をあまり書けなかったのですが、まぁいいか!それは次の章だな!という感じですね。あんまり七海さんの心情を掘り下げると長くなってしまう&今後の進行上都合が悪かったです。
時系列では第三章は第二章より前の話なので、二人の関係性は第二章より後退しているわけではないです。ただ、ヒロインの胸の中のわだかまりは明示しておきたかったので。
こういう思いを抱えながら七海さんと向き合っているヒロイン…ということを知っていただき、一歩踏み出せない理由の一つに思いを馳せてもらえたら嬉しいな!と思っています。

第四章「幻のドラゴン」では、少しずつ七海さんの心情にも触れていきます。
三歩進んで四歩下がって、また二歩進む…みたいな連載ですが、わたしはこういうのが好きでして…!モダモダが長くじれったいかとは思いますが、ちゃんと七海さんとヒロインは昔からずっと「大切同士」です。
すれ違いながら、誤解を少しずつ解きながら、ゆっくりと同じ方向を向いて、そしてきちんと向かい合う二人になっていく予定です。
読み続けてくださっている方にも楽しんでいただければ、わたしは本当に幸せです。
どうぞ今後もお付き合いください!
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