これの続き
セイン少し病み気味
いつものように月を見に入口へ出たら、花束ではなくあいつがいた。目を疑った、理解するのに一分近くかかった。直ぐに入口の中に戻ろうとしたら腕を掴まれた。なんでだ、だっててめぇは魔界には入れねぇんだぞ。
よく見たら、俺を掴んでるあいつの手がが、ばちばちと火花を散らせて火傷をおっていた。
「お、おい!てめぇ!」
「いいのさ、君を捕まえるためなら」
「なんだとォ…?」
「デスタ、君は私を待っていてくれのに、私は…行動に示さなかった」
手を引かれて入口の外に出るとそのまま天使に覆いかぶさるように地面に倒れる。ぐい、と腰を髪ごと掴まれたら思うように動けない。
「てめ…この野郎!」
「セイン、と呼んでくれ」
「黙れ天使が!」
「…デスタ」
どきり、と心臓が跳ねた。セインの瞳はギラギラしていて、月の光を反射させていて、魔王の、ようだ、なんて思ってしまって唇を噛む。
そんな時、セインが俺の羽を掴んで来た。嫌な予感がして暴れても、下にはセイン、上は掴まれるでバランスが取れない。
「早く、こうすれば良かったんだ、君は私を待っていた、私が来て、君を、こうすれば、私のモノになる」
「待ってねぇ…離しやがれ!」
「いや、待っていた、月を見ていたのも私に気付いてもらうため、花を返さず燃やしたのも私に持って来させるため」
「違う、違う!」
「何も違わないさ、デスタ」
ぐ、と羽を掴んでる手に力が入る。間違いない、こいつ俺の羽を折る気だ。やめろ、やめろよ、違う、俺はこんなこと望んでいない、やめ―
「愛している、だから私のモノになれ、デスタ」
悲鳴と共に、天使は手に入れた。