これのデスタ視点
お前なんて下界へ落ちちまえばいいのにな、羽がもげて落ちる。堕天使、でもお前のことだ、落ちるときだって、雪みたいに綺麗なんだろうな、胸糞わりぃ。
下界に落ちたら、魔界から見下ろしてやるのに、お前なんか。
「………」
魔界の入口、洞窟にあたる隅に小さな花束が置かれている。今日だけじゃない、いつも、毎日。
こんなことするのは、毎日ここで俺が月を見てると知っている奴だけだ。イコールあいつなんだ。
「馬鹿天使が…」
かさり、と手に花束を持つ。月明かりに照らされた花は悪魔の俺でも美しいと感じられる。す、と匂いをかんでみると、ふわりとした良い香りがした。
「胸糞…わりぃ」
一瞬にして花束は炎に包まれた。ばらばらと炭になる花束を見て、あいつの顔がちらつくのは何故だろうか。
会いたくなどない、毎日入口まで来て、帰っていくお前を呼び止めないのは、悲しいからなんかじゃない。