これの続き
恋みたいだ、君に、君を見てると理性が保てない、駄目みたい、原因は君か…わかったよありがとう
風介は毎日一番に学校へ来る。(優等生…か、)昨日俺はそんな優等生にキスされた。しかもいきなりの告白、俺が女子なら一発で惚れるだろう笑顔だった。まぁ俺は男だから惚れないが。
問題はここからだ。
昨日俺が風介から借りてしまったブレザー。ファ●リーズだけで済ましてしまったが、男に告った奴と何日も関わりなんて作るつもりはない。
だから風介より早く来て、風介の机の上にブレザー置いて、一限目はサボるつもりだ。うん完璧。
息を吐いて、深呼吸。それから勢いよく扉を開けた。
「おはよう晴矢」
「……お、はよう風介」
「嬉しい、朝一番に君に会えて」
教室の中には、笑顔の風介が居ましたとさ。ああ、さようなら俺の完璧な計画。
風介は俺の手にあるブレザーを見ると、ああ、とまた微笑む。
「いいよブレザーなんて、家に何着もあるから」
「あ…?」
こンのボンボンは何を言うんだ。一円に泣くほにゃらら、そんなことわざを知らないのか。
俺は黙ってブレザーを風介の机に置いた。ぽかんとしている風介を上から睨みあげて、大声で叫んでやる。
「俺は、物を、大切にしない奴が大っ嫌いだ!」
そうだ、言ってやった。物を大切にできない奴が、人を幸せに出来るかバーカ。そういうことは働いてから言えよボケ。
そう言ったら風介は黙り込んだ。やべ、言い過ぎた?でも嫌いって言っただけだ。大丈夫、ベタに財閥の力を使って両親の仕事をとる、なんて真似はされない、はず。
「ふ、ふふ…やはり君は面白いよ晴矢」
「あ?」
「うん、私の目に狂いはなかった」
そう言うと、風介は俺の肩を掴んで、あれ、この流れ昨日も、
―――――
「私、君が好きだ、だから物は大切にする」
「また…キスしやがったぁ…」
「愛情表現」
風介は本日何度目かの、満面の笑みでそう答えた。