おやすみ!




「デスタ、どうした」

「セ、セイン…せめて…暖がとれる物をくれ…」

「は?」


「俺は魔界育ちだから、寒いのは苦手なんだ」

「あ、ああ?」

「頼む、セイン」



もっと俺を暖かくしてくれよ…!



(な、何だとぉおおお!!?)


デスタから、デスタから夜のお誘いを受けた!?今のはそう解釈していいのか!?そうなのか!?初日でいきなりなんて…まさかデスタも私のことを…


「デスタ」

「え」

「私だって男だ」

「ああ…」


「お前の誘いを断る理由など私にはない!さぁデスタ!私の所へ来い!そしt」「え!一緒に寝て良いのかァ!なんだそれ最初に言えよ!」

「へ」


笑顔で“てっきり床で寝るのかと思ったぜェ”と言いながらパジャマに着替えるデスタは、私の気持ちなど知るはずもなく、よいしょ、と布団の中に入って来る。


「デス、タ…?」

「セイン、あったけぇなぁ、おやすみ」

「!!」


ああそんな幸せそうに笑わないでくれ。

私はおやすみ、と一言伝えると髪を解き、部屋の電気を消した。






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