真逆の温度差
ギュエールに叩かれ
「デスタ!ナイフとフォークが反対よ!」
ぱしーん!
「いってぇ!!」
セインに付き纏われ
「ついてくんな!床掃除したのに汚れんだろォ!」
「あ、いや…お前のかぼちゃ…いや違う、観察だ!裏切らないかな!」
「じゃあ前歩け」
「ま、前!?」
「ごらァア!鼻血出すなァア!」
ウイネルに叱られ
「お前!またセインに鼻血出させたな!大丈夫かセイン!」
「前…前…」
(え…俺のせいなのか)
エルフェルにからかわれ
「なになに、セイン鼻血出したのー?まぁデスタがこんなに可愛い格好してたら仕方がないかぁ、ねぇ今晩僕の部屋に来ない?」
「セインに聞かなきゃ」
「駄目だ!デスタは私の部屋で寝る!」
「やだぁ寝るなんてセインいやらしい!」
「エ、エルフェルゥウ!」
デスタの家政婦生活一日目はこうして幕を閉じた。
所変わってセインの部屋。そこにはやはりというかセインが居て、よく見たら(いや見ずとも解る)ベットは一つしかない。
(ゆ、床で寝ろってか…!)
天空の宮殿は全て大理石。だが何かの力を加えているのか、太陽の真下にあっても熱くなることはなく、永遠と冷たい。夜に素足で歩こうものならば、それはただの自殺行為である。
(確かに俺は敵のリーダーだけどよォ…この扱いは…いや、でも…)
「何をしているデスタ、は、早く着替えて寝る支度をしろ!枕も用意してやった」
(な、なにぃいい!枕だけだと!?こんなくそ寒ぃ床に枕だけで寝ろと!?)
流石、天空の使徒のリーダーセイン。冷徹非道、その通り名の如くデスタの扱いは恐ろしいものとデスタには思われた。
だが一方セインでは
(デスタと一緒に眠れるデスタと一緒に眠れる…!)
全く違うことを考えていた。
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