「風介サン、何やってるの」
「恋愛ゲームだ、因みに今プレイしているのは角志伽羅ちゃんといってな、このゲームのキャラクター全員と一発ヤるというハッピーエンドを完全クリアしないと出てこない隠しキャラクターでな、これがまた可愛いとn」「ちょっと!僕の部屋でエロゲーやんないでよ風介くん!ていうかアツヤに変なこと教えないで!」
ある日の休日、吹雪家。
何故こんなところに私、涼野風介がいるかというと、遡ること5時間前。吹雪から一本の電話がかかってきた。
『勉強を教えてほしいってアツヤに頼まれたんだ』
「だからなんだ、良いだろう家族も居るんだし」
『実はいないんだよ、今日母さん料理教室で、父さんも仕事』
「…で?」
『来て!!前みたいに襲っちゃうぅう!』
ということだ。
そして今に至る。
「兄ちゃん、この古文がさ」
「あ、これアツヤ苦手だよね…これはね」
「……」
まぁ、私は此処に居るだけでいい。それに士郎の家のテレビはでかい。家からゲーム機を持ってきてしまえばこちらのものだ(因みにエロゲーではない、ベッドシーンは主人公の回想のみだ)
「風介サン、風介サン」
「ん?」
「今からおやつ、食う?」
「いや、お茶だけ貰えるか」
「うん、兄貴今台所に…」
「…兄貴?」
「あっ!」
アツヤはいつも士郎のことを兄ちゃんと呼ぶのに、今は兄貴とはっきり呼んだ。あれ、ああ、あれ?まさか、そういうこと、か?
「い、言わないでくれよ!」
「…言わないさ、君も兄が好きなんだな」
「え?」
「いや、こちらの話だ」
「ちょっと、二人で何話してるの」
「あ、兄ちゃん!」
とてとてと士郎に駆け寄るアツヤ。なんだ、結局この兄弟は両想いだったのか。だったら士郎が襲っても大丈夫じゃないか?寧ろアツヤだってOKだろう。…いや、アツヤはまだ気持ちにすら気付けてない天然か。
(面白い兄弟だ)
「風介くん、はい、お茶」
「ありがとう、飲んだら私行くよ」
「え、ちょ、待って」
「たまには慣れろ、もしかしたら理性が吹っ飛ぶくらいがお前たちには調度いいのかもしれないぞ」
「え?」
とある秘密