「兄ちゃん!」

「アツヤ、入学おめでとう」

「へへっ、また兄ちゃんと同じ学校だなぁ」

「なぁに、嫌なの?」

「うんにゃ、嬉しいー」


ニカッと笑う弟を見て、吹雪士郎感激のあまり死にそうです。

4月、このむさ苦しい宗教関係の男子校に入って一年。やっとこの日が来た。アツヤだ、弟が入学してくれた、また一緒に学校に来れる、感激!

一年、長いようで短かった…。男子校なのに何人にも告白された。(僕顔は良いから)でもアツヤの為と耐えた。

そんな男子校が、アツヤ一人でかなり印象が変わる。ああ、なんて素晴らしきこと!


「じゃあこれから俺入学式だから」

「うん、じゃあね」


ひらひらと手を振って走り去る可愛い弟。その背中が見えなくなるまで僕は見つめていた。


「あれが君の」

「うん、アツヤっていうんだ。僕と顔が似てるけど、中身は可愛いんだよ」

「わかった、わかった」


「風介くんも早く好きな人見付けなよ」

「二次元が私の恋人だ」

「あ、そ」









はじまり



 

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