ああ、幸せ‥。


「顔ニヤけてんぞ」

「いいんです。わたし今幸せだから!」

「‥あっそ」


ぷいっとそっぽを向いた丸井先輩が格好よくて一人悶えていると、いつの間にやら後ろにいらっしゃった赤也くんとジャッカル先輩に白い目で見られた‥気がした。
ええ!?寒い!!真冬並みの寒さなんですけど。わたしなにか失礼なことしましたか?

ハテ、と首を捻って考えている内に背伸びをした丸井先輩はすっかりやる気モード。きゃっ!カッコイイ。今のわたしはきっとドキンちゃんみたいに目がハートになっているはず。これも愛の力!!


「丸井せんぱ〜い!」


待ってくださいよぉ、そう声をかけようと歩き出しながら手を伸ばしたわたしの頭から何かが覆い被さった。


「へぶっ!?」


前が見えないと両手を激しく動かすわたしの後ろから今度は観光客のような笑いを含む視線を感じ取ることができた。なんてこった!
かわいい乙女を笑うなんてひどい‥。

落ち込むのもそこそこに視界を奪った物を恐る恐る持ち上げてみる。あれ‥?


「俺の天才的なプレー、ちゃんと見てろよ」


白いふわふわしたスポーツタオルを除けば先輩は笑っていて

微かに感じた丸井先輩の香りの向こうで、広がった青い空がとても綺麗でした。



やさしい水色の向こう側



(2011.01.01.)




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