昼の間の、満腹な日差しが開け放された窓からこぼれ落ちて、広く足元を照らし付けた。
ソファに腰掛けながら、テレビをスイッチオン。何よりも贅沢なレッドカーペット、ううん、ゴールドカーペットへ素足を預けながら、わたしは隣にいる綺羅くんの手をちょっと突っついた。
「ん?」
「ふふっ、なんでもないよ」
「そうか」
綺羅くんは物静かな人で、けれどもあまり喋らない分、わたしの手をきゅっとつよく握ってくれた。わたしは嬉しくて身体を綺羅くんへ傾ける。
テレビ画面ではペット大特集とかで、ぴょこぴょことうさぎが飛び跳ねながら尻尾を揺らす。
「わあーかわいい」
「…かわいい」
「うんっ!」
「名前の、好きな動物だな」
「うん、うさぎが一番すき。また今度見に行こうよ」
「そうだな…。俺も好きだ」
「ふふふ」
綺羅くんと好きが同じで、楽しくなって、わたしはクスクスと肩を揺らしながら笑った。
いつしか斜めになった日差しが眩しくて、綺羅くんは目をしかめながら立ち上がると、カーテンを広げた。そして踵を返し、少し離れたところからこちらへと真っ直ぐな視線を投げ掛ける。これは綺羅くんが何かしたい、しようとする合図だ。
綺羅くんの所作は慎ましやかで、それに似合わずキリリとした黄金色のクールな瞳は、わたしを随分と呼んでいる。つよく、それはやがて焦がれてゆく。
綺羅くんの情熱に引き寄せられたわたしは息つく間もなく、抱きしめられた。
テレビから流れる、愉快な音色は遠くなり、胸の中ではカーテンコールが鳴り止まない。まだ、もっと、もっと。そう、これからだから。
「綺羅くん」
カーテンコールが止んだ後はわたしのすべてをひらけて。