「………っぶ」

「笑うなよ。っつーか、笑いすぎ。」

私のパジャマ姿を見て爆笑する仁王――。
彼氏の家へ泊まることになったはいいが、このパジャマはないよねって自分でも分かってるよ!
分かってるけど、これが私の寝巻きだもん!仕方ないじゃんか!

パジャマ



「お前さん…迷彩のパジャマって…。くくくっ」

「ちょ、仁王爆笑しすぎ!」

爆笑する仁王の背中をばんっと叩く。
――迷彩のパジャマかっこいいじゃん?!



「……最初見た時は、
 自衛隊がきたって思ったぜよ」

「え?自衛隊?

「花子は女自衛隊じゃな。……っぷ、
 それにしても…そんなパジャマを着るのは予想外じゃったな…」


そういって、いつまでも喉を鳴らし続ける仁王。
うぜぇぇぇええぇぇ!

こいつ、本当嫌なやつ!



「……もういい、帰ります。」

「そのパジャマでか?」

「うっそぴょーん。やっぱ泊まります。」

「……っふ、まぁいいぜよ。夜は長い――」


え……。



エロティカル!

仁王の馬鹿、思わず夜の営み期待しちゃったじゃんか…。


「ん?花子、顔が赤いのぅ?どうかしたのか?」

「――っ!なんでもないし」

そういって、慌ててぷいっとそっぽを向いた。
…この詐欺師、なかなか裏が読めない。

まあ…そんな仁王を好きになったのも、事実なんだけどさ。




「……花子。」

そういうと、仁王が私の腕を掴んでそのままベッドへと押し倒した。

ドサッ。


「………に、お…」

「………愛しとぉよ。花子」

そういうと、仁王は私の唇に自分の唇を強く強く重ね合わせたのだった。

.

..

...





だからごめんって何回もいってんじゃん。

「最悪ぜよ。雰囲気台無しじゃ」

「いや…だから、ごめんって!」

そういって、朝になって何度も謝る自分。
いや…ね!疲れすぎだったんだよ、ほんと。


キスした後、お風呂に入って――。

気がつけば仁王より先に寝ちゃってあはーんうふーんな展開にならなかったなんて、
私くらいなのかもしれない。


「……はぁ。もういいぜよ。」

「………ごめん、」

「謝るんじゃなか。
 そんなところも…愛しとるから、」

そういうと、仁王がほっぺにちゅっとキスをしてきた。
……!不意打ち…!


「……私、も。好きだよ、仁王」



私達はこうやってゆっくり大人の階段のぼっていこうね。



「(…これじゃあベッドまで1年はかかるんじゃないかのぅ)」

「(あ、お腹すいたしファミレスいきたい)ファミレスいこうよ、仁王」


そういうと――仁王が苦笑しながら言った。


「……仕方ないのぅ。俺のおごりじゃ、食べなされ」

「やったー!仁王大好き!」





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